「屋外看板の種類は?」
「屋外看板を設置する際に許可が必要?」
屋外看板は視認性が高く、不特定多数の人へアピールできる広告ですが、種類が豊富で選び方が複雑。さらに、関連法律の知識や申請書類も必要で、設置ハードルの高さを感じている人もいるでしょう。
そこで本記事では、屋外看板の種類や目的、設置メリットとデメリット、関連法律や設置までの流れを解説します。
最後まで読めば、屋外看板についての知識がつき、自社の目的に適った看板を設置できるようになります。
1. 屋外看板とは
屋外看板とは、屋外に設置されている看板の総称です。
- 屋外看板の種類
- 屋外看板設置の目的
屋外看板の概要を解説します。
(1)屋外看板の種類
屋外看板は屋外に掲出されている看板全般のことで、以下のような種類があります。
- ビルボード(ビル壁面看板、屋上広告塔)
- 野立看板
- コンテナ看板
- 立て看板・のぼり看板
- 電柱広告(巻広告・袖広告)
- 消火栓広告(標識下広告)
ビルの屋上に設置されたビルボードや、電柱広告なども屋外看板の1つです。看板によって視認性やアピール力が異なるため、目的に応じて屋外看板の種類を選ぶ必要があります。
(2)屋外看板設置の目的
屋外看板設置の目的は、看板の種類によって異なります。例えばビルの屋上に設置された大きなビルボードは、自社認知の向上を目指す目的で設置されています。
また、野立て看板や電柱看板は、店舗の近くに設置し、お客を店に誘導する効果、および日常的に目にすることで、不特定多数の人に対して自社の存在をアピール可能です。
2. 屋外看板を設置するメリット4つ
屋外看板を設置する4つのメリットを紹介します。- 視認性の高さによる集客効果
- 長期間であれば低コストで出稿可能
- ブランディング
- ザイオンス効果が期待できる
これから屋外看板の掲出を検討している方は、後ほど紹介するデメリットと比較してみましょう。
メリット1. 視認性の高さによる集客効果
屋外看板の設置メリットは、視認性の高さによる集客効果です。特に、突出看板やビルボード・屋上看板はサイズが大きく、歩行者や運転者の目によく止まります。遠方からでも視認しやすいため、店を探しながら運転・歩行している人を、店舗へ誘導できます。
屋外看板はサイズの大きなものは視認性が非常に高いため、看板を見て来店する人を増やす効果があるでしょう。メリット2. 長期間であれば低コストで出稿可能
屋外看板は、長期間出稿するのであれば、コストパフォーマンスが良い方法です。看板は一度製作すればメンテナンスで何度も利用できるため、店舗のロゴなどが変更しない限りは、繰り返し利用できます。
ただし、看板の制作費や設置作業費は高額であり、短期での契約は割高です。長期間にわたって看板を掲出したいのであれば、屋外看板は低コストといえるでしょう。
メリット3. ブランディング
屋外看板は種類によっては、ブランディングにも役立ちます。特に壁面に掲示する「壁面広告」は視認性が高く、遠くからも認識可能。
さらに、ブランドロゴの色やデザインで自社のイメージを伝える役割もあります。例えば、家具店の壁面広告がスタイリッシュなものなら、見ている人に「おしゃれな家具が買えそうだな」というイメージを与えるでしょう。
このように、看板はブランディングにも利用可能です。
メリット4. ザイオンス効果が期待できる
屋外看板は、ザイオンス効果が期待できるのもメリットです。ザイオンス効果とは、特定の人やものに繰り返し接触することで、好感度・評価が上昇する心理的傾向です。
屋外看板は近くに住んでいる人が何度も目にする効果が高く、無意識のうちに、看板を掲出している企業や店舗へ信頼感を持ちます。特に屋外広告はローカルな情報を掲出するため、親近感を持ってもらいやすいでしょう。
3. 屋外看板を設置するデメリット3つ
屋外看板を設置するデメリットを3つ紹介します。- 掲載できる情報量の制限
- 関連法律の遵守が必要
- 看板のメンテナンスコスト
屋外看板は掲載できる情報量に制限があり、また景観への配慮が必要です。
デメリット1. 掲載できる情報量の制限
屋外看板は基本的に掲載できる情報量が制限されています。
屋上看板などは大型ですが、遠方からの視認性を目的としているため、情報量が多いと遠方から何が書かれているか認識できません。また、電柱広告などは自治体で掲載目的の制限があり「道案内や誘導」に限られています。
屋外看板を製作する際は、載せたい情報を選定して最低限の情報を載せるようにしましょう。
デメリット2. 関連法律の遵守が必要
屋外看板は関連法律の遵守が必要とされます。景観への配慮も必要となるため、あまり派手すぎる看板などは設置できない可能性があるでしょう。そのため自社の希望イメージが叶わないリスクがあります。
屋外看板設置に関しての法律は、次の項目で紹介しているので、参考にしてください。
デメリット3. 看板のメンテナンスコスト
屋外に看板を設置するため、風雨や紫外線の影響で徐々に劣化します。仮に劣化したまま看板を設置し続けていると、汚らしいイメージやメンテナンスを怠る信頼できない会社だと思われる可能性も。
長期掲載を前提とするのであれば、3年に1度程度のメンテナンスをおこない、劣化度合いによっては新しい看板への交換を検討しましょう。
4. 屋外看板設置に関する5つの法律
屋外看板を設置するにあたり、知っておくべき5つの法律を紹介します。
- 屋外広告物法
- 道路交通法
- 道路法
- 建築基準法
- 自治体の条例
一般的に屋外看板の設置は取扱業者へ依頼するため、関連法は業者で把握しているケースが多いです。念の為知識として、出稿者側も屋外看板の関連法を把握しておきましょう。
(1)屋外広告物法
屋外広告物法とは、「良好な景観を形成・維持するために、必要な規制を定めた法律」です。法律に基づいて、設置物の表示面積や高さ、色などが規制されています。
広告を設置する場合は基準への適合審査を受けなければなりません。万が一看板の面積・内容等を変更する場合は、屋外広告物変更申請を提出するなど、細かな規定が設けられています。
(2)道路交通法
道路交通法は、道路における危険を防止し、交通の安全と円滑を図るための法律です。道路において工事をおこなう場合は、道路交通法に基づいた届出が必要になります。
野立て看板などの設置で道路の通行止めが必要な工事等が発生する場合は、申請が必要なことを覚えておきましょう。
(3)道路法
道路法とは、道路網の整備を図るために、道路に関して路線の指定や認定、管理などを細かく規定した法律です。歩道や道路へ突出した突き出し看板の設置をおこなう際は、道路法に基づいて「道路占用許可申請」が必要となります。
(4)建築基準法
建築基準法とは、建築物の敷地や構造、設備における最低基準を定めた法律です。看板は厳密にいえば建築部とではありませんが、建築基準法第88条において、一定規模以上の看板は建築基準法の規定が適用されます。
そのため、着工前に工作物確認済証の取得、完了後に検査申請をおこなわなければなりません。着工自体に許可が必要であるため、申請の漏れがないか確認する必要があります。
(5)自治体の条例
そのほか、屋外看板は自治体それぞれで定めている条例を遵守する必要があります。例えば、電柱広告は自治体ごとに使用できる背景色やフォントの色・字体、内容が決まっています。
条例に違反した広告は設置できませんので、注意しましょう。
5. 屋外看板設置を申請する流れ
屋外看板の設置は、関連法令を遵守したうえで申請・許可を得る必要があります。
- 規制区域の確認
- 看板についてのルールを確認
- 看板の規制内容の確認
- 許可申請書の作成・提出
- 手数料の支払い
- 許可通知書の受け取り
- 看板作成
- 看板設置・完了報告の提出
屋外看板の取扱事業者が申請業務を代行するのが一般的ですが、念の為流れを押さえておきましょう。
(1)規制区域の確認
屋外看板の設置前に、規制区域を確認しましょう。区域ごとに景観の問題で、屋外看板を設置できない場合があるためです。
看板を掲出する予定の場所が、規制区域に該当しないか確認しましょう。
(2)看板についてのルールを確認
次に、屋外看板についてのルールを確認しましょう。法令のほかに、自治体でも独自のルールを設けているため、条例も確認してください。
(3)看板の規制内容の確認
条例や法令の中で、看板の規制内容を確認してください。規制に適合していない場合は、看板の掲出ができません。
(4)許可申請書の作成・提出
次に、必要な許可申請書を作成・提出します。突き出し看板であれば「道路占用許可申請」など、申請内容が異なるため、注意が必要です。
(5)手数料の支払い
許可申請後は所定の手数料を支払います。手数料は看板の種類や設置個数、面積などによって違うため、指示された通りに支払いましょう。
(6)許可通知書の受け取り
許可が下りた後は、自治体から許可通知書が交付されるので、受け取りしましょう。受け取り方法は窓口または郵送で行われます。
(7)看板作成
許可通知書を受け取ってから、看板作成をおこないます。看板のデザインなどはルールを遵守して、作成しましょう。(8)看板設置・完了報告の提出
最後に看板の設置工事などをおこない、完了報告を提出します。
以上で屋外看板の設置の流れは完了です。
6. 屋外看板の費用相場
屋外看板の費用は、屋外看板の種類やサイズ、期間、設置場所など様々な要因で変動しますが、以下に例を挙げるので費用相場の参考にしてください。
あくまで大きさや掲出位置などにもよりますが、ビル看板では初期費用である製作費は100万円~が相場です。
7. 屋外看板のリードタイム
ここではビル看板を例にしてスケジュールをご紹介します。ビル看板の運営社によって異なりますので、目安として参照してください。
(1)問い合わせ:10週間前
最新の空き状況がわかります。希望の日程で広告掲出が可能かを確認しましょう。
(2)申し込み:8週間前
正式に申し込みをして広告枠を確保しましょう。
広告枠は予約や仮押さえができず、先着の申し込みがあれば埋まってしまうので注意が必要です。また、申し込み後はキャンセルができないことにも留意しましょう。
(3)デザインの提出・審査:5〜7週間前
自治体による広告内容の審査があります。実際に掲出する広告デザインのデータを提出しましょう。
自治体によるデザイン審査会は随時開催ではなく、1〜2週間の間隔で開催されることも少なくありません。そのため、審査のタイミングを逃したり審査で差し戻しが発生した場合、次の審査までに時間が空いてしまうことがあります。7週間前までを目安に一度審査を実施できるようにしておくと、スムーズに進められるでしょう。
(4)色校正の回答:3週間前
掲出開始日の4週間前を目安に、媒体社から「出来上がった印刷物の色合いがイメージ通りに再現できているか」の確認があるので、期日までに回答しましょう。
(5)お支払い:2週間前
広告プランナーまたは媒体社から請求書が送付されます。原則、広告掲出前に支払いを行います。
(6)掲出開始:当日
広告が掲出されます。
8. 屋外看板の審査基準
屋外看板には審査規定が定められており、以下の項目に該当する広告は掲出できません。あらかじめチェックしておきましょう。
- 公序良俗に反するもの、通行者や公衆に不快の念を与えるもの、社会通念上掲出できないと認められているもの。
- その他、媒体社が不適当と認めるもの。
多くの人の目に留まる広告は消費者(購入者、利用者等)に対する情報の提供であるため、適切かつ節度を持ったものでならなければならないとの前提のもとでクリエイティブの審査が行われます。屋外看板を出稿する際は、審査時にクリエイティブの承認をスムーズに受けられるように上記の点に気を付けましょう。
視認性の高い屋外看板で自社サービスをアピールしましょう
屋外広告は視認性の高さと、日常に溶け込んで歩行者や運転者へ、自社サービスなどをアピールできます。種類も豊富にあるため、目的に応じて看板を選べるのも魅力です。
ただし、屋外看板は関連法律の知識や申請が必要など、設置方法は複雑でハードルの高さを感じた方もいるでしょう。
しかし屋外看板取扱事業者に依頼すれば、関連法律に則って適切な看板を製作してくれます。また、申請業務の代行も可能なため、手間なく屋外看板を掲出可能です。
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