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観光広告・プロモーションとは?観光客向けOOHのポイントと成功例12選

「観光プロモーションって何?」
「観光客誘致に役立つ観光プロモーションのコツは?」

コロナによる世界的な混乱もようやく収まり、国内外の観光地も賑わいを取り戻しつつあります。そんな中、観光プロモーションに力を入れる自治体等が増えています。しかし、具体的にどのように進めればよいかわからない、押さえておくべきポイントがわからないという人も少なくありません。

そこで本記事では、OOHで観光プロモーションする際の重要ポイントと成功例を中心に、観光プロモーションの概要や手法について解説します。

地域を盛り上げるために観光プロモーションの実施を検討中の方はぜひ参考にしてください。

目次

1. 観光プロモーションとは

観光プロモーションとは、「観光地の認知拡大」に加えて、「観光地への旅行客の集客」や「現地での商品やサービスの購入」「地域活性化」を目的に展開されるプロモーションのことです。

観光プロモーションは、民間の一企業や一団体が行うのではなく、自治体の観光プロモーション課、観光協会が主導して行っていることが多いのも大きな特長です。

温泉や絶景、歴史遺産・文化遺産など各自治体の観光地だけでなく、各地の名物・特産品やグルメ、伝統工芸などその地域の唯一無二のオリジナリティをアピールすることで、各地からの旅行客を集めて、地域の活性化や持続可能なまちづくりに向けた施策として行われます。つまり、観光プロモーションは、自治体が行う広報活動・営業活動といえるでしょう。

2. 代表的な観光プロモーションの手法

観光プロモーションの主な手法として、以下の5つがよく利用されています。

観光プロモーションの主な手法

  1. イベント
  2. パンフレット・チラシ配布
  3. テレビCM・新聞・折り込み広告
  4. 動画・SNS
  5. OOH

(1)イベント

物産展やグルメ展など、全国各地で行われるイベントは、実際に現地に足を運ぶ前にどのような観光地なのかを多くの人が気軽に体験できる有効な観光プロモーションです。以前から訪れてみたいと思っていた顕在層だけでなく、旅行先の候補には入れていなかった潜在層にまでアピールできるのが魅力です。

また、ゆるキャラやアンテナショップもその一環といえます。

(2)パンフレット・チラシ

パンフレットやチラシは、観光プロモーションとして以前から多く取り入れられている手法です。駅やショッピングセンターなど人が多く集まる場所にパンフレットやチラシなどを設置することで、幅広い世代に訴求が可能です。顕在層や手に取った人に確実に訴求できることが魅力ですが、掲載できる情報量が限られることや最新の情報にアップデートしづらいこと、潜在層にアピールしづらいことがデメリットです。

(3)テレビCM・新聞・折り込み広告

テレビCMや新聞広告なども代表的な観光プロモーションの手法です。一度に多くの人に訴求できること、顕在層だけでなく潜在層にまでアピールできることなどメリットもありますが、それぞれデメリットもあります。具体的には、テレビCMは掲出費用が高くなること、新聞広告は若年層へのアピールに適していないことなどが挙げられます。

(4)動画・SNS

最近人気が高まっているのが、動画・SNSによる観光プロモーションです。現在、インターネット利用率(個人)は82.9%となっており、旅行に関する情報もインターネットで探すという人が増えています。(出典:令和4年版 情報通信白書|総論 – 総務省

各自治体の公式ホームページのほか、Instagram、X(Twitter)、TikTok、YouTubeなど多くの人が閲覧できる場所に自治体の動画を配信することで、幅広い年代の人に訴求が可能です。また、動画をストーリー仕立てにしたり、季節やイベントごとに変えたり、俳優やタレントや芸人やアスリート等を観光大使にして出演してアピールしてもらったり、工夫次第でさらに多くの人の注目を集めることができます。

また、SNSで話題になれば情報が共有されてさらに多くの人に情報がすぐに広がるため、拡散力の強い観光プロモーションとして既に多くの自治体がSNSを取り入れています

(5)OOH

OOH(Out Of Home)も観光プロモーションとして代表的な手法です。

OOHとは

家庭以外の場所で展開するメディアのこと。電車や駅、バスやバス停等に掲出する交通広告、大型看板・大型ビジョンやポスターなどの街頭広告、店頭サイネージやPOPなどの店内広告などが代表的なOOHの例です。

OOHは何気ない日常で目にすることも多く、自然と視界に入るメディアです。通勤・通学途中で見かける駅広告や電車広告、看板などで得た情報を無意識の間に記憶し、旅行先を決める際の重要な情報源となることも少なくありません。旅行を検討している顕在層だけでなく、潜在層にも訴求しやすいのが魅力です。

また、SNSとの親和性も高く、OOHが話題となりバズれば、相乗効果が期待できるのもメリットです。

3. OOHで観光プロモーションする際の重要ポイント

様々な観光プロモーションの手法がありますが、ここではOOH広告における観光プロモーションの重要ポイントについて解説します。

OOHによる観光プロモーションの重要ポイント

  1. ターゲットの選定を行う
  2. 観光地へ繋がる交通機関の交通広告に掲出する
  3. 反復訴求効果が期待できるメディアに掲出し、旅行検討時に候補に挙げてもらいやすくする
  4. エリアの独自性・差異化できるポイントを明確にしておく
  5. 現地で満足度の高い体験ができるようにしておく
  6. 広告プランナーに相談するのが確実

(1)ターゲットの選定を行う

観光プロモーションを行う上で真っ先に行わなければならないのが、ターゲットの選定です。

フットワークの軽い学生や20代の若年世代、子供のいるファミリー世代、時間的・金銭的余裕のあるシニア世代といった年齢・世代だけでなく、温泉やグルメ、アクティビティといった観光目的、国内観光客か海外からの旅行客かなど、可能な限りターゲット層について細かく決めましょう。

そしてターゲット層についてリサーチを行います。リサーチを行うことで興味や関心が把握でき、どのようなアプローチをするのが心に刺さるのか、どのようなメディアを使うのが有効なのかなど観光プロモーションの方向性や発信方法も決まってきます。

メディアプランニングについてはこちらの記事もご覧ください。

メディアプランニングとは?必要性や具体的なステップを徹底解説

(2)観光地へ繋がる交通機関の交通広告に掲出する

観光プロモーションは、観光地へ繋がる駅や電車、バスや空港などに掲出する交通広告を利用するのがおすすめです。

例えば、日光への観光をプロモーションするなら、東武電鉄の電車内や沿線のターミナル駅に広告を掲出するのが有効です。また、古都鎌倉への観光プロモーションであれば、JR横須賀線や湘南新宿ライン、江ノ島電鉄などの電鉄会社の電車広告・駅広告を利用すると良いでしょう。

観光プロモーションは、視認してからアクションするまでの物理的距離・心理的距離が短ければ短いほど効果を発揮します。実際に観光地へ繋がる公共交通機関に魅力的な広告を掲出することで、それを見た人が観光地へのルートを具体的にイメージしやすくなり、旅行を現実的に検討しやすくなります

また、外国人旅行客の利用が増えている空港やターミナル駅など空の入り口でインバウンド客向けの観光プロモーションを行って海外の人への露出を増やすのも効果的です。

インバウンド向け広告についてはこちらの記事もご覧ください。

おすすめのインバウンド向け広告は?おすすめの観光地と広告媒体5選

(3)反復訴求効果が期待できるメディアに掲出し、旅行検討時に候補に挙げてもらいやすくする

電車や駅に掲出する交通広告など、繰り返し接することの多いOOHメディアに広告を掲出するのも観光プロモーションの効果を高める重要ポイントです。

通勤・通学中など何度も繰り返し観光プロモーションのOOHを見掛けることで、反復訴求効果、メモリーインプット効果(すりこみ効果)によって無意識のうちに記憶に情報がインプットされやすくなります。そして、いざ旅行を計画する際に、その情報が自然と頭の中に思い浮かび、旅行先の候補に挙げてもらいやすくなることが期待できます。

(4)エリアの独自性・差異化できるポイントを明確にしておく

観光客は、その地域特有の自然や文化などに価値を見出し観光に訪れます。そのため、観光プロモーションを展開する前に、観光客の関心や興味を引き寄せる、その地域の強み・個性を明確化することが欠かせません。

その地方独自の自然、温泉、歴史的建造物、伝統工芸など、「ここでしか見ることができない、体験することができない」ものを観光プロモーションの前面に押し出しつつ、それを魅力的な”見せ方”で展開することで、より多くの人を引き寄せることが可能となります。

また、独自性の高いキャッチコピーやキャラクターで更に差別化・地域ブランディングをすることも効果的です。

(5)現地で満足度の高い体験ができるようにしておく

観光プロモーションは実施して終わりではありません。実は、観光プロモーションに成功した後が非常に重要です。

観光プロモーションの成功により現地を訪れてくれた観光客に、現地で想像していた以上に満足度の高い体験をしてもらうことができれば、リピーターやファンを作ることができます。また、ポジティブで好意的な旅行体験の口コミ・SNSは、それ自体が強力な観光プロモーションになります。そのために、観光プロモーションに力を入れると同時に、観光客を虜にする企画・施策も行いましょう。

具体的な成功例を挙げると、観光客が26の露天風呂に入れる「入湯手形」を導入している黒川温泉が有名です。地域一丸でお客様をお迎えする“黒川一旅館”の考え方のもとで、宿泊したホテルや旅館で個別におもてなしをするのではなくエリア全体で様々な地域プロジェクトを行っています。それにより、何度もリピートして訪れる観光客も増え、地域活性化を成功させています。

他にも、温泉地では、エリアで使える共通クーポンを作っておく、温泉地の顔となるご当地グルメを作っておくなど様々な取り組みを行っている温泉郷も少なくありません。

反対に、「来てがっかり」「期待値が高すぎた」「見掛け倒し」と現地でネガティブな印象を持たれてしまうと、リピーターを獲得できないだけでなく、口コミやSNSでマイナスイメージの話題が拡散されることで他の観光客の足も遠のいてしまいます。

プロモーション内容以上に現地で満足度の高い体験ができるように観光地全体で準備・工夫しておくことも、観光プロモーションを成功させ、持続していくために非常に重要です。

(6)広告プランナーに相談するのが確実

観光プロモーションを土地勘がない場所で行う場合、人流や属性などのイメージがつきづらく、ターゲットの選定やそれにあわせたクリエイティブの選定、掲出場所の選定など具体的な広告戦略を立てることは簡単ではありません。

その場合は、現地や広告戦略に詳しい広告プランナーに相談しましょう。より効果的な広告展開を行うためのメディアプランニングを行ってもらうことができます。

4. 話題となった観光プロモーション用OOH例

観光プロモーションは、SNSでのバズ・拡散でさらに宣伝効果・集客効果をアップさせることができます。特に、OOHはSNSとの相性・親和性も非常に高いメディアであり、観光プロモーション用のOOHがバズればさらに多くの人に露出と訴求が可能になり、まさに一石二鳥です。よりここではOOHで観光プロモーションで成功した例を紹介していくのでぜひ参考にしましょう。

話題となった観光プロモーション用OOH例

  1. 差別化・地域ブランディング
  2. 有名人・有名作品とのコラボでファンの心をがっちりキャッチ
  3. 地域特産品・ご当地グルメで食欲を刺激
  4. クリエイティブの質の高さ・インパクトで勝負
  5. 他メディアや他エリアと同時展開でさらに話題性アップ

(1)差別化・地域ブランディング

差別化・地域ブランディングに成功した例を3つ見てみましょう。

#1:秋田県|「行け、行け、アキタ。」

成功例の1つ目は、秋田県観光プロモーションの「行け、行け、アキタ。」 の駅・電車ポスターです。

国重要無形民俗文化財の「男鹿のなまはげ」、「羽後町の西馬音内盆踊り」、「乳頭温泉郷」、「きりたんぽ」などの秋田県独自の民俗文化や独特の雰囲気・世界観とその中に溶け込む秋田犬が「味がある」「エモい」と話題になり、ファンが急増。この観光ポスターを見て秋田県を訪れたという旅行客・観光客も増えました。

#2:JR東海|「そうだ 京都、行こう」

自治体ではありませんが、「そうだ 京都、行こう。」のキャッチコピーで有名なJR東海の観光プロモーションも、差別化・地域ブランディングに成功しました。京都の美しい風景とともに、ターゲットに共感や行動を促す具体的な言葉も加わることでさらに訴求力アップ。この観光プロモーションを見て「京都行こう!」と思った人も多いことでしょう。

#3:兵庫県西宮市|「涼宮ハルヒの憂鬱」の聖地

「○○の舞台」「○○の聖地」など人気作品とのコラボによる新たな観光スポットを取り上げることも考えられます。

例を挙げると、兵庫県西宮市は伝説のアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」の聖地として様々なOOHで観光プロモーションを積極的に行っています。聖地巡礼の定番として知名度・認知度がアップしただけでなく、今も多くのファンが足を運んでいます

(2)有名人・有名作品とのコラボでファンの心をがっちりキャッチ

観光プロモーションにおいて、地元出身のタレントや俳優、アスリートとのコラボも有効な手段の1つです。

#1:島根県|「#ただいま島根」玉木宏

玉木宏さんは島根県出身ではありませんが、ルーツが島根県隠岐諸島の西ノ島であることから島根県「ご縁フルエンサー」を務めている人気俳優です。「#ただいま島根」のハッシュタグと島根の風光明媚な大自然、そして玉木さんの美しいお顔のアップにファンは騒然。島根の魅力を存分に伝え、観光客誘致に大いに貢献しました。

#2:仙台市| 羽生結弦さんとのコラボ

日本の元フィギュアスケート選手であり現在はプロのアスリートである羽生結弦さんの駅パネルによる観光プロモーションも話題に。熱狂的ファン”ユヅリスト”も多数仙台を訪れました。

地元に関連する人気作品とのコラボも観光プロモーションとして話題性十分です。作品のファンはもちろんのこと、物珍しさからSNSにアップされ、より多くの人に認知されやすくなるためです。

#3:鳥取県・岡山県|ラッピング電車

漫画家・水木しげる先生の生誕の地であり、「水木しげるロード」で有名な鳥取県と島根県を結ぶJR境線のラッピング電車『鬼太郎電車』や、「桃太郎繋がりによる岡山電鉄のラッピング電車『桃太郎電鉄』なども大きく話題になり、間近で見ようとファンが現地を訪れています。

(3)地域特産品・ご当地グルメで食欲を刺激

大きな話題となる地域特産品・ご当地グルメも観光プロモーションとの相性抜群の素材です。

#1:宇都宮市|餃子とアイドル

餃子の消費量1位を毎年静岡県浜松市と争っている宇都宮市は、餃子と人気アイドル・声優とのコラボでファンの心をくぎ付けに。

#2:南魚沼市|魚沼産コシヒカリ

南魚沼では、日本人のソウルフード「お米」の中でも日本一のおいしさで知られる「魚沼産コシヒカリ」をテーマにした観光プロモーションを展開して話題になりました。様々な丼を見て食欲を刺激され、南魚沼を目指した人も少なくありません。

(4)クリエイティブの質の高さ・インパクトで勝負

観光プロモーション用のクリエイティブが高く評価され、それをきっかけに興味を持って観光に訪れるケースもあります

#1:明石市| 日本観光ポスターコンクール受賞

明石観光協会の観光プロモーション用ポスターは、明石城や歴史上の偉人の魅力を余すことなく伝えるデザインが高く評価されました。圧倒的な存在感で大きなインパクトを与えるクリエイティブを見て、自分の目でも確かめたいと明石への旅行を決めたという人も。

#2:鹿児島市|「マグマの幸」

歴史的偉人といえば、鹿児島市は、西郷隆盛氏を全面に押し出しつつ、グルメを中心に伝統工芸やご当地キャラ、桜島のマグマとかけた「マグマの幸」というオリジナルキャッチコピーなど、鹿児島の多彩な魅力をアピールする観光プロモーション用ポスターで話題になりました。

(5)他メディアや他エリアと同時展開でさらに話題性アップ

観光プロモーションは、同時展開によってさらに注目を集め、集客効果アップが期待できます。

#1:さいたま市|動画とポスターの同時展開

さいたま市では、美しく幻想的な風景とキャッチーなフレーズの添えられたポスター広告に加えて、オリジナル動画を同時展開した観光プロモーションが話題になりました。

#2:大阪府・兵庫県|共同観光プロモーション

大阪と兵庫の広範囲でダイナミックに展開する共同観光プロモーションも話題になりました。「見たことのない兵庫、もっと知りたい大阪」のキャッチフレーズが目を引くポスターや、神戸の中華街「南京町」や大阪の「新世界」の背景と「兵庫・大阪をあそびつくせ」のキャッチフレーズが興味をそそるポスターなど、共同で大規模な観光プロモーションで多くの観光客を呼び込んでいます。

印象に残る観光プロモーション広告で観光客を誘致しよう

この記事では、OOHを用いた観光プロモーションのポイントや成功例の紹介と合わせて、観光プロモーションの概要や主な手法について紹介しました。

観光プロモーションを成功させるために最も重要なポイントは、訴求したいターゲット層を明確にし、ターゲット層に刺さるプロモーション手法を絞り込んで展開することです。そして趣向を凝らした展開でさらに効果的な観光プロモーションを行えば多くの観光客が訪れるようになることでしょう。

しかし、OOHを用いた観光プロモーションを土地勘のない場所で展開するのは簡単ではありません。そんな時は、OOHに詳しい広告プランナーへ相談しましょう。掲出メディアの選定やエリアの絞り込み、掲出のタイミングなどメディアプランニングにより、効果的に各地で観光プロモーションを展開できます。

国内最大級の広告プラットフォーム『オーマッチ』では、専属プランナーによるプランニングサポートを無料で承っています。また、18万件以上の広告枠の仲介も無料で行っておりますので、メディア選択から掲出までワンストップで依頼できます。

より効果的な観光プロモーションの展開を検討している方は、この機会に是非一度お気軽にご相談ください。

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