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アドトラック(宣伝トラック)とは?費用相場や今後の規制について解説

「アドトラックの費用はどれくらい?」
「アドトラックの活用方法や、今後の規制について知りたい」

街中を走り回るアドトラックについて、このようにお悩みの方はいませんか?近年都市部で急速に普及しているアドトラックですが、まだまだ潜在的な可能性を秘めていることはご存じでしょうか。

今回は、アドトラックの概要やメリット、活用方法について分かりやすく紹介します。また、具体的な費用相場についても具体例をもとに詳しく解説します。

この記事を読めば、アドトラックに関する基本的な知識が身につきますよ!

1. アドトラック(広告トラック)とは?

まずは、アドトラックの概要について紹介します。現在トレンドとなっている活用方法や今後の規制の見込みについても解説するので、まずはしっかりと基本的な知識を押さえておきましょう。

(1)近年急速に増加している広告形態

アドトラックとは、トラックの外装をラッピングして街中を移動しながらプロモーションができる広告手法であり、近年都市部を中心に急速にトレンドとなっています。「移動する広告」として視覚的にインパクトがあるだけではなく、音楽を流しながら走行することも可能なため、聴覚的にも強い訴求を行うことが可能です

また近年ではLEDビジョンを掲載したアドトラックも登場しており、アニメーションなどを用いた動的なプロモーションも行えるようになりました。

繁華街を中心に、キャバクラやホストクラブなどの「高収入アルバイト」のプロモーションに活用されていることが有名ですが、上述の強いインパクト性を活かし、最近ではジョブカンやテレシーのようなBtoB企業や、カンナムオンニのようなBtoC系のWebサービスの認知広告にも多用されています。

(2)今後規制が強化される可能性がある

2023年4月、首都圏の4都県5政令市では、アドトラックのデザインについて統一的な規制のあり方を検討することで合意しました。現行の制度では、アドトラックのデザインについては公益社団法人東京屋外広告協会が審査を行っていますが、審査は都内ナンバー登録のトラックに限定されていました。

報道によると、今後はデザイン審査の対象が都内を走行する全車両に拡大され、風俗営業を宣伝する広告に対しては承認が得られないこととなる見込みとされています。アドトラック自体が規制の対象となるわけではなく、あくまで風俗営業に関する広告を取り締まることが目的とされていますが、今後の動向にも注意が必要です。

【参照:派手なデザイン「広告トラック」、4都県・5政令市が統一規制検討へ – 読売新聞

2. アドトラックのメリット5つ

アドトラックは、商品やサービスの宣伝方法として、他のメディアを凌駕する多くのメリットをもっています。ここからは、その主なメリットを5つ詳しく解説します。

メリット1. 視覚と聴覚の両方に訴求できる

アドトラックは、視覚と聴覚の両方に訴求することが可能な多面的な広告媒体であり、独特の魅力と強力な訴求力を持っています。

まず、視覚的なインパクトはアドトラックの最大の特徴の一つです。アドトラックは移動する巨大なキャンバスのようなもので、そのサイズと動きが人々の視覚を引きつけることが可能です。更に、他のOOH媒体(ビルボードや街頭ビジョンなど)が、一般的に目線よりも高い位置に設置されるのに対し、アドトラックは視聴者の目の前に展開されることから、目線を引きやすい特徴があります。

また、聴覚に訴える能力もアドトラックの大きな特徴の一つであり、視覚と聴覚の二つの感覚に同時に訴えることで、多角的な訴求が可能です。これは他の広告媒体ではなかなか実現できない強みであり、アドトラックがもつ大きな魅力です。

メリット2. ノイズが少ない

アドトラックはノイズが少ないというメリットもあります。

駅内の広告や公共交通機関内の広告などは、さまざまな場所に広告があり、その数が多いほど目線の誘導先が多く、自社の広告を見てもらいにくいということになります。

その点、アドトラックは基本的にトラック1台につき1広告であり、また道路上を走行する広告は多くないため、他の広告と目線を奪い合うということがありません。

メリット3. 移動する広告として多くの人へリーチできる

アドトラックは、広い範囲にリーチできるというメリットもあります。アドトラックは「移動する広告」であり、一定の地点に制約されることなく、多くの人々に広告を届けることが可能です。

他の固定された広告媒体の場合、リーチ範囲は設置場所に大きく依存します。一方で、アドトラックは掲出期間中は自由に移動できるため、そのリーチは広告を掲載する地域そのものに制約されません。

都市部や観光地、商業施設など、人々が集まる場所へと積極的に向かうことも可能なため、多くの人へ広告を届けることができます。

メリット4. 特定のエリアやターゲットにもリーチできる

アドトラックの強みは、特定のエリアやターゲットに効果的にリーチできるという点にもあります。

地域の特性を理解し、ターゲットとなる消費者の居住地や頻繁に訪れる場所を選び、アドトラックを運行することで、特定のターゲット層にダイレクトに広告を届けることが可能です。例えば、若者をターゲットとする商品の場合、大学キャンパスや学生街、流行のスポットなどにアドトラックを出動させることで、意図的に若者層にリーチすることができます。

また、初日は渋谷に出動させ、二日目は六本木に移動させるなど、一度の出稿で複数の場所にアプローチできるのもアドトラックならではの魅力です。

メリット5. イベントやキャンペーンに即応できる機動性

アドトラックの強力なメリットの一つは、高い機動性です。特に、イベントやキャンペーンなど特定の時期や場所に合わせて広告活動を行う場合、アドトラックはその独特の柔軟性で類まれな広告手段となります。

イベントやキャンペーンは通常、一定の期間と場所に特化して行われます。このような期間や場所に特化した広告活動においては、その瞬間瞬間での露出の効果が求められます。

一般的な広告媒体は事前の計画や準備が必要で、その場その場の状況に応じて広告活動を調整することは困難ですが、アドトラックは移動可能であるため、その場所や時期に応じて即座に広告展開の方向性を変えることが可能です。

メリット6. 相対的にコストが低い

広告は、その効果を最大化するためには適切な投資が必要となりますが、アドトラックはテレビCMや新聞広告などのメディア広告と比較して相対的にコストを抑えられるというメリットがあります。

テレビCMなどの従来の広告媒体は、高額な制作費と媒体費が必要となるケースが多く、オンエアする時間帯によっては非常に高額な媒体費がかかります。一方アドトラックは、1週間の運用で150万円〜と比較的安価であり、低コストで高パフォーマンスな運用が可能です。

初期投資を少なく抑えながらも、広範囲なリーチを可能とするアドトラックは、中小企業などの広告費用に限りのある企業にとっても有効な広告手段となりえます。

3. アドトラックの活用方法3選

アドトラックはその移動性と目立つ視覚性から様々な形で活用することが可能です。ここでは、具体的に3つの活用方法について説明しますが、これらの活用方法は一例に過ぎません。

アドトラックの特性を理解し、自社の目的やターゲットに合わせて最適な運用方法を考えることで、より大きな広告効果を得ることができます。

活用方法1. 都市部や観光地での展開

アドトラックの一つの大きな特徴は、その移動性にあります。そのため活用方法の一つとして、都市部や観光地での展開が考えられます。

都市部や観光地は人々の集まるエリアであり、一日の中でも多くの人々が行き交う時間帯が存在します。例えば、通勤や通学の時間帯、昼休みの時間帯、仕事終わりの時間帯などは特に人々の往来が多く、それらの時間帯にアドトラックを走行させることで、一度に多くの人々に広告を届けられます。

また、観光地では観光シーズンや週末、祝日などの特定の時間帯に訪れる観光客が集中します。そのため、それらの時間帯にアドトラックを運行させることで、広範囲にわたる観光客に対して広告を訴求することが可能です。

さらに、都市部や観光地では様々なイベントが開催されることが多く、そのようなイベント開催時には通常以上の人々が集まります。そのようなイベント開催時にアドトラックを利用することで、一時的に集まった大勢の人々に対して広告を訴求するチャンスを得ることができます。

活用方法2. イベントやフェアでの展開

アドトラックはその移動性と柔軟性を活かして、イベントやフェアでの展開にも非常に有効です。その理由は大きく2つあります。

まず1つ目は、イベントやフェアは短期間に多くの人が訪れる場所であるという点です。これはつまり、限られた時間と場所で、高い集客効果を期待できるということです。コンサート、スポーツイベント、花火大会、地域の祭り、大規模フェアなどは、短時間で数千人から数万人の人々が集まる場所であり、その場所に広告が配信されることで、一度に多くの人々に対して広告訴求が可能になります。

2つ目の理由は、その広告が特定のイベントやフェアに直接関連する情報を提供することで、広告の関心度と効果を高めることが可能であるという点です。例えば、フェアの出店者からの特別なクーポン情報や、イベントの日程や出演者情報などをアドトラックの広告として配信することで、その情報に関心のある来場者に対して具体的な価値を提供することが可能です。広告の受け取り手にとって有用な情報を提供することで、広告への関心と好感度を高め、最終的には広告効果を最大化するための重要な手段となります。

その一方で、イベントやフェアでのアドトラックの運用には注意点もあります。特に、イベントやフェアの会場やその周辺は交通規制が行われることが多く、アドトラックの運行計画はそれらの規制を考慮に入れる必要があります。

活用方法3. 地域を移動しながらのプロモーション

アドトラックの最大の特徴である移動性を活かしたプロモーション方法として、地域を移動しながらのプロモーションがあります。ひとつの広告メッセージを複数の地域や地域間で展開していくことで、広範囲にわたるリーチと広告効果を期待できます。

また、各地域で別々に広告を出稿する手間とコストの節約にもつながります。広範囲にわたる広告展開が可能なため、都市部から郊外、あるいは都市間でさえも、アドトラックは移動しながら広告を展開することが可能です。

これにより、地域による広告の見かけ率を均一化することができ、広告の露出度を最大化することが可能です。また、地域間の移動により、広告は新鮮さを保ち続け、視覚的なインパクトを持続することもできます。

4. アドトラックの費用相場

アドトラックの費用は種類により変動しますが、以下に例を挙げるので費用相場の参考にしてください。

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5. アドトラックのリードタイム

アドトラックへの出稿を検討している場合、掲出開始日の5〜7週間前までを目安に広告プランナーへ問い合せましょう

以下は色校正を1回実施する場合の目安スケジュールです。色校正を2回希望する場合、全体スケジュールを1週間前倒しましょう。色校正を実施しない場合は1週間後ろ倒して考えてください。

色校正とは

出来上がった印刷物の色合いがイメージ通りに再現できているかをチェックし、修正する作業。

(1)問い合わせ:6週間前

最新の空き状況がわかります。希望の日程で広告掲出が可能かを確認しましょう。

問い合わせの時には、走行希望エリアも伝えるようにしましょう。媒体社がアドトラックの走行ルートを考案するために必要な情報となります。

(2)走行ルートの確認:5週間前

走行希望エリアをもとに、ルート案が提示されるので確認しましょう。地方エリアでの走行を希望する場合、希望エリアのヒアリングからルートの提案までに1〜2週間かかることがあります。

(3)デザインの提出・審査:4週間前

媒体社による広告内容の審査があります。広告内容がわかるデザインデータや資料を提出しましょう。

(4)申し込み:4週間前

無事に審査を通過したら、正式に申し込みをして広告枠を確保しましょう。

広告枠は予約や仮押さえができず、先着の申し込みがあれば埋まってしまうので注意が必要です。また、申し込み後はキャンセルができないことにも留意しましょう。

(5)最終版デザインの提出:3週間前

実際に掲出する広告デザインのデータを提出します。色見本やポスターの現物など、印刷後の色合いがイメージできるものを持っていれば、あわせて媒体社に送りましょう。

(6)支払い:3週間前

広告プランナーまたは媒体社から請求書が送付されます。原則、広告掲出前に支払いを行います。

(7)車体広告契約書の締結:2週間前

天災時の補償など、基本的な事柄に関する契約があります。内容を確認し、問題がなければ契約の締結に進みましょう。

(8)色校正の回答:10日前

媒体社から「出来上がった印刷物の色合いがイメージ通りに再現できているか」の確認があるので、期日までに回答しましょう。確認期間はおよそ2営業日です。いよいよ広告掲出が近づいているので、早めに確認しましょう。

(9)音源データの提出:10日前

音出し走行が可能なアドトラックの場合、音源データを提出します。

(10)掲出開始:当日

広告が掲出されます。

6. アドトラックの審査基準

アドトラック広告には審査規定が定められており、以下の項目に該当する広告は掲出できません。あらかじめチェックしておきましょう。

アドトラック広告で掲出できない広告

  • 公序良俗に反するもの、通行者や公衆に不快の念を与えるもの、社会通念上掲出できないと認められているもの。
  • その他、媒体社が不適当と認めるもの。

多くの人の目に留まる広告は消費者(購入者、利用者等)に対する情報の提供であるため、適切かつ節度を持ったものでならなければならないとの前提のもとでクリエイティブの審査が行われます。アドトラック広告を出稿する際は、審査時にクリエイティブの承認をスムーズに受けられるように上記の点に気を付けましょう

アドトラックの出稿は専門のパートナーと進めよう

今回紹介したように、アドトラックは視覚的・聴覚的に強いインパクトを与えられる広告媒体であり、BtoB商材やBtoC商材でのプロモーションにもおすすめです。今後の規制強化が心配される媒体ではありますが、現段階では風俗業界への規制が検討されているにとどまるため、他の業界への影響はなさそうです。

もっとも、アドトラックを効果的に活用するためには、広告内容や走行ルートなどの選定が必要不可欠となります。そのため、広告効果を最大限に高めるためには、広告のプロに相談することを強くおすすめします

国内最大級の屋外広告プラットフォームである『オーマッチ』では、アドトラックに関する案件も多数取り扱っております。お問い合わせは無料で承っておりますので、この機会にぜひお気軽にご相談ください。

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