「新幹線の広告にはどんな種類がある?広告費はどれくらい?」
「掲出までのリードタイムや審査基準について知りたい」
新幹線広告の出稿をご検討中の方で、このようにお悩みの方はいませんか?新幹線広告は、役職者層や富裕者層に効率よくアプローチできる媒体であり、効果的に活用することでブランドイメージを大幅に向上させられます。
この記事では、新幹線広告の種類や、具体的な費用について詳しく解説します。また、新幹線広告がもつメリット・デメリット、効果的に活用する方法についても解説します。
この記事を読んで新幹線広告の基本を理解し、より効果的な広告戦略を構築しましょう。
1. 新幹線の特徴
効果的な新幹線広告を実現するためにも、まずは新幹線に関する基本的なデータを確認しましょう。
以下からは、新幹線の利用者数、利用者属性等について詳しく解説します。なお、いずれも東海道・山陽新幹線に関するデータを紹介しています。
(参照:メディアガイド2023 – ジェイアール東海エージェンシー)
(1)新幹線の利用者数
東京から博多を結ぶ東海道・山陽新幹線の1日あたり平均利用者数は、342,500人(2021年度)であり、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける前は685,400人(2018年度)でした。
新幹線はまさに日本の社会・経済を支える基盤であり、感染症が落ち着いてきた現在は急速に利用者数も戻りつつあります。
2020年度における、各新幹線の年間利用者数、および1日の平均利用者は以下の通りです。
新幹線 | 輸送人員(千人) | 一日平均輸送人員(人) |
北海道 | 531 | 1,455 |
東海道・山陽 | 95,667 | 262,101 |
東北 | 37,861 | 103,729 |
上越 | 17,995 | 49,301 |
北陸 | 12,079 | 33,093 |
九州 | 7,015 | 19,219 |
【引用:新幹線旅客輸送量の推移 – 国土交通省】
(2)新幹線の利用者属性・利用目的
新幹線ユーザーの男女比は、男性77%・女性22.9%と、かなり男性に偏っています。
また、利用者の年代別にみると、30代~50代男性が過半数を占め、ビジネスの第一線で働いている世代による利用が多いことが分かります。
利用目的に関しては、「出張・ビジネス」が60.1%、「単身赴任」が9.1%と、ビジネス目的での利用が圧倒的多数を締めています。とはいえ、ユーザー数の母数が多いことを考えると、「観光旅行」の9.4%、「趣味」8.1%、「帰省」5.0%という割合も少ないわけではありません。
また、このデータは1年間を通じての平均値であるため、5月や8月の連休や、年末年始時期にはユーザー属性に偏りが生じる点に注意が必要です。
(3)新幹線利用者の役職や所有資産など
社会全体でみると課長以上の役職者は全体の17.3%であるのに対し、グリーン車ユーザーの67.3%が課長以上の役職者です。また、新幹線ユーザーの会社経営者・会社員が勤務している企業は、半数以上が従業員500人以上の大企業となっています。
さらに、グリーン車ユーザーのうち約半数が世帯年収1,000万円・所有資産3,000万円を超えています。
これらの点から、新幹線は大企業の役職者が多く利用しており、そこにアプローチできる新幹線広告は稀有な広告媒体ということができます。
2. 新幹線広告の種類一覧・それぞれの費用相場
以下からは、新幹線広告の種類や、具体的な費用について解説します。
- 新幹線ボード
- 電光文字広告
- デッキ額面
- N700系喫煙ルームステッカー
- Wedge・ひととき(グリーン車搭載誌)
- おしぼり広告
- 特設パネル・駅セットパネル
- グリーン車ホームドア
(1)新幹線ボード
新幹線ボードは、客室の内側、ドアの左右に掲示されるポスターボードで、普通車にはB2サイズ、グリーン車にはA2サイズで掲示されます。乗車・降車時や、車両間の移動の際に目に入りやすい位置です。
東海道山陽新幹線では、新幹線ボードには大きく分けて3つのプランがあり、普通車両の全車両に掲示するもの、普通車両の奇数号車または偶数号車に掲示するもの(ライト)、グリーン車に掲示するものがあります。
なお、東北・北海道新幹線、北陸新幹線については、同種の媒体として「車内額面ポスター」があります。
新幹線ボードの費用例
東海道新幹線の新幹線ボードに掲出する場合、期間は半月(15日間)からとなり、B3サイズを奇数車両または偶数車両のみに掲出する場合で450万円〜、 B2サイズを全車両掲出で1,300万円程度の費用がかかります。またグリーン車のみで1ヶ月500万円といったプランも申し込み可能です。
東北・北海道新幹線、北陸新幹線の車内額面ポスターの場合、1ヶ月で30万円~80万円程度となっています。
(2)電光文字広告
電光文字広告は、車両前方・ドア上に設置されている電光文字版に文字を表示するものです。最大64文字までメッセージを流すことができ、文字色も6種類から選択できます。
文字情報だけではありますが、運行情報やニュース・天気予報などと共に広告を表示できるため、乗客の注意が集まりやすい媒体といえます。
電光文字広告の費用例
電光文字広告の費用相場は、東海道新幹線の東京・新大阪間で1ヶ月あたり330万円、東京・博多間で400万円、山陽新幹線で85万円程度です。
(3)デッキ額面
デッキ額面は、乗車口付近に掲示されるポスターボードです。
新幹線のデッキは、乗車・降車時だけではなく、電話のために訪れた乗客や、トイレ利用・喫煙等での車両間移動の際にも通る場所であるため、多くの乗客にリーチできる媒体といえます。
デッキ額面の費用例
デッキ額面の費用は、1ヶ月で230万円~400万円ほどです。新幹線広告のなかでは最も細かくプランが分けられており、予算に合わせて柔軟に運用できる点が魅力です。
(4)N700系喫煙ルームステッカー
N700系には喫煙ルームが設けられており、室内の壁面・ドアガラス面に広告を掲示できます。
喫煙ルームのユーザーは一定時間その場所に滞留し、目的地によっては何度も喫煙ルームに訪れるため、確実にメッセージをターゲットに届けることができます。
N700系喫煙ルームステッカーの費用例
喫煙ルームステッカーの費用は、2カ月間で200万円~300万円ほどです。
(5)Wedge・ひととき(グリーン車搭載誌)
Wedge・ひとときは、どちらも東海道山陽新幹線のグリーン車の搭載誌(月刊)で、Wedgeはビジネス関係、ひとときは旅行関係の情報が掲載されています。
新幹線広告のなかでは最も長く視認される可能性を秘めているものの、雑誌自体を開かなかったり、広告ページを飛ばされてしまうなどのリスクもあります。
Wedge・ひととき(グリーン車搭載誌)の費用例
Wedge・ひとときの広告掲載費用は、1ヵ月間掲載でWedgeが90万円~190万円、ひとときでは120万円~260万円程度です。
(6)おしぼり広告
おしぼり広告は、グリーン車利用客に配られる使い捨ておしぼりの外装に印刷される広告です。
グリーン車利用客の手元に直接届けられるというメリット・特別感のあるメディアといえます。おしぼり広告の費用例
おしぼり広告の広告費は、3ヶ月で630万円程度です。
(7)特設パネル・駅セットパネル
予算的に新幹線車内への広告掲出が難しい場合や、広告枠が埋まっている場合には、新幹線駅に広告を掲出するのもおすすめです。
新幹線駅特設パネルは、新幹線の改札内(改札とホームをつなぐ階段やエスカレーター周り、ホームドアなど)に掲出されるメディアで、新幹線ユーザーに短期集中的に訴求できます。
特設パネル・駅セットパネルの費用例
新幹線駅特設パネルの費用は、駅の規模や掲出パネル数に応じて、1週間あたり60万円~90万円ほどです。主要駅に一挙に掲出する集中張りセットなどもあります。
(8)グリーン車ホームドアシート
グリーン車付近のホームドアにも広告枠が設けられており、グリーン車ユーザーである役職者層や富裕層をターゲットとした訴求ができます。乗車時のほか、新幹線の到着を待つ間にノイズを交えることなく訴求が可能です。
グリーン車ホームドアの費用
グリーン車ホームドアの広告費は、掲載する駅や枚数によって異なります。東京駅に1ヶ月間掲出する場合は320万円程度、名古屋駅だと220万円程度となります。
3. 新幹線広告のメリット3つ
新幹線広告は、他の広告手法とは異なる特有のメリットを持っています。以下では、新幹線広告の特徴的な3つのメリットについて詳しく紹介します。
- ビジネスパーソンに訴求できる
- 役職者や富裕層へのターゲティングも可能
- ノイズが少ない
メリット1. ビジネスパーソンに訴求できる
新幹線利用目的のうち「出張・ビジネス」が60.1%、「単身赴任」が9.1%であることから、新幹線広告はビジネスパーソンに対する強い訴求力をもちます。ビジネスパーソンに訴求する方法としては、ビジネス街に屋外広告を設置するなども考えられますが、新幹線広告ほどダイレクトなターゲティングは困難です。
なお、長期休暇や年末年始などのタイミングを狙い、レジャー 層や帰省客などの非ビジネスパーソンをターゲットにすることも可能です。
メリット2. 役職者や富裕層へのターゲティングも可能
新幹線のユーザーには役職者や富裕層が多く、特にグリーン車ユーザーの67.3%が課長以上の役職者であり、約半数が世帯年収1,000万円・所有資産3,000万円を超えています。
そのため新幹線広告、特にグリーン車への広告では、BtoB商材やプレミアムな商品・サービスの訴求をするのに最適といえるでしょう。
メリット3. ノイズが少ない
新幹線の車内・プラットフォームなど、新幹線関連の広告媒体では、他の広告メディアと比べてノイズが非常に少ないのが特徴です。
そのため広告ひとつひとつがプレミアム感をもち、ユーザーにしっかりと目を留めてもらいやすくなります。
その結果、ブランドや商品の印象が深く定着し、ブランディング効果も高まります。
4. 新幹線広告のデメリット3つ
新幹線広告は多くのメリットをもつ一方で、デメリットも無視できない部分があります。以下で、新幹線広告に関連する主なデメリットを3点、詳しく考察します。
- 他の広告と比べ費用が高い
- 広告枠が少ない
- 効果測定が難しい
デメリット1. 他の広告と比べ費用が高い
新幹線広告は、その限定性やプレミアム性ゆえに、他の広告と比較すると掲載費用が高い傾向にあります。実際、新幹線広告を出稿しているのは大手企業や有名ブランドが多く、広告枠を確保するために激しい競争が行われています。
もちろん費用が高い分、訴求力やブランド価値の向上といったプラスの効果も期待できるため、コストパフォーマンスをよく吟味する必要があります。
デメリット2. 広告枠が少ない
新幹線の車内やプラットフォームの広告枠は数が少ないため、希望する時期や場所での広告掲載が難しい場合もあります。特にピーク期やイベント期間中などは早めの予約を心がけましょう。
また、こうした時期は広告費が高額になりやすいため、新幹線の改札内パネルや ホームドア広告など、他の形式の広告も視野に入れることをおすすめします。これらの媒体は新幹線 ユーザーを対象にしながらも、車内に掲出される広告より低価格で掲出できることが一般的です。
デメリット3. 効果測定が難しい
OOH広告(Out-Of-Home、家の外で目にする広告)全般の課題として、具体的な広告効果の測定が難しく、新幹線広告も例外ではありません。
しかし、立ち止まれる場所での広告、例えば喫煙ルームステッカー、デッキ額面などでは、QRコードを掲載して効果測定を試みることも可能です。ただし、全ての広告媒体でこれが適用できるわけではなく、場所や形状によっては実施が難しい場合もあります。
5. 新幹線広告のリードタイム
新幹線広告への出稿を検討している場合、掲出開始日の4週間前までを目安に広告プランナーへ問い合せましょう。現物での納品が基本となるので、余裕をもって問い合わせるのがおすすめです。
(1)問い合わせ:4週間前
最新の空き状況がわかります。希望の日程で広告掲出が可能かを確認しましょう。
(2)デザインの提出・審査:3週間前
媒体社による広告内容の審査があります。広告内容がわかるデザインデータや資料を提出しましょう。
(3)申し込み:2週間前
正式に申し込みをして広告枠を確保しましょう。
広告枠は予約や仮押さえができず、先着の申し込みがあれば埋まってしまうので注意が必要です。また、申し込み後はキャンセルができないことにも留意しましょう。
(4)広告物の納品:10日前
媒体社指定の住所へ広告を現物送付します。
有料で印刷および納品を依頼することも可能です。その際は印刷用データを掲出日3週間前までに提出します。
(5)お支払い:1週間前
広告プランナーまたは媒体社から請求書が送付されます。
原則、前金のみとなります。
(6)掲出開始:当日
広告が掲出されます。
6. 新幹線広告の審査基準
新幹線広告には審査規定が定められており、以下の項目に該当する広告は掲出できません。あらかじめチェックしておきましょう。
公序良俗に反するもの、通行者や公衆に不快の念を与えるもの、社会通念上掲出できないと認められているもの。
その他、媒体社が不適当と認めるもの。
多くの人の目に留まる広告は消費者(購入者、利用者等)に対する情報の提供であるため、適切かつ節度を持ったものでならなければならないとの前提のもとでクリエイティブの審査が行われます。新幹線広告を出稿する際は、審査時にクリエイティブの承認をスムーズに受けられるように上記の点に気を付けましょう。
新幹線広告の出稿はプロに依頼しよう
今回は、新幹線広告の種類や、具体的な費用、効果的な活用方法について解説しました。
新幹線広告は、効率よく役職者層や富裕層にアプローチできる優れた媒体ではありますが、その分、広告費用が高額であるなどのデメリットもあります。また、広告を掲出する場所・時期の選定は難しく、先に競合他社に広告枠を取られてしまう可能性もあります。
そのため、新幹線広告を出稿する場合には、できる限り早く広告プランナーに相談しましょう。
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