「OOH種類や特徴について知りたい」
「より効果的にOOHを活用する方法を知りたい」
OOHの出稿を検討している方で、このようにお悩みの方はいませんか?OOHにはいくつも種類があり、それぞれ異なる特徴と効果をもっているため、どの媒体を利用すべきか迷ってしまいますよね。
この記事では、OOHの代表的な種類と特徴、OOHのもつメリットやデメリットなど、基本的な知識を解説します。また、OOHを出稿するための具体的なステップや、関係する法規制についても解説します。
この記事を読めば、OOHに関する基本的な知識が身につきますよ!
1. そもそもOOHとは?基本的知識の解説
まず最初に、OOHの基本的な知識について解説します。屋外広告との違いや今後のトレンドも紹介するので、しっかりと抑えておきましょう。
(1)OOHは「家の外で接する広告」のこと
OOHとはOut of Homeの略語で、直訳すると「家の外で」を意味し、マーケティングの世界では「消費者が家の外で接する広告」を意味します。
具体的な種類は後ほど詳しく紹介しますが、OOHの代表例として大型ビルボード、バスや電車の広告、街頭の看板やポスターなどがあります。
(2)屋外広告との違い
OOHとよく似た言葉に「屋外広告」があります。OOHには屋内や車内などに掲出される「屋外ではない」広告も含まれます。
したがって、OOHは「家の外で接する広告全般」を、屋外広告はその名の通り「屋外に設置された広告」を指し、OOHは屋外広告よりも広い概念といえます。
(3)DOOHにも注目!
近年は、デジタル化されたOOHであるDOOH(Digital Out-of-Home)にも注目が集まっています。
従来より、OOHのデメリットとして、製作費や作業費などの初期費用がかかる点や、一度出稿したら内容を変更することが難しい点などが挙げられていましたが、デジタルサイネージなどのDOOHであれば、こうしたデメリットを克服できます。
日本ではまだ都市部などでの展開にとどまっていますが、今後広告市場の大きなトレンドになることが予想されています。
(4)OOHのトレンドと今後の展望
新型コロナウイルス感染症の影響が収縮するにつれて、OOHへの注目度が再び高まっています。
特にDOOHの発展により、タクシー車内に設置されたタブレット型サイネージではSaaS事業などのBtoB商材、美容室内のサイネージでは女性向けの美容商材など、特定のターゲットに向けたOOHもトレンドとなりました。また、3D看板や街全体を使った広告(街ジャック)などの活用事例が増えてきており、新しいOOHトレンドも生まれています。
一方でアドトラックに対する規制が検討されているなど、OOHを取り巻く環境に変化が起きているため、今後の展開に注意が必要です。
このように、OOHを取り巻くトレンドは日々変化しているため、信頼できるプロに相談しながら戦略を立てるようにしましょう。
2. OOHの種類と特徴
ここからは、代表的なOOHの種類と、その特徴について解説します。各種類のもつ特徴や利用方法、メリット・デメリットは大きく異なるため、それぞれの概要をしっかりと理解したうえで、どの種類が適しているのかを見極めることが大切です。
(1)広告看板(ビルボード)
広告看板(ビルボード)は、最も代表的ともいえるOOHのひとつであり、主要な道路や交差点、駅前など、人々の視界に入りやすい場所に設置される大型の広告看板を指します。
その大きなサイズと露出の高さにより、広範囲の視覚範囲をカバーし、多くの人々や通行車両等に広告メッセージを届けることが可能です。ビルボードは比較的長期間にわたって設置できるため、長期間にわたるブランド露出やキャンペーンの展開に適しています。
(2)街頭ビジョン
街頭ビジョンは、特に都市部の繁華街や駅前などの人通りの多い場所に設置される大型の電子ディスプレイ広告です。
ビデオコンテンツやアニメーションなどの動的な広告を表示することが可能で、その視覚的・聴覚的インパクトにより、多くの人々の注目を集めることができます。
(3)施設内広告
施設内広告は、商業施設や自治体などの施設内に設置される広告です。
これらの施設には多くの人々が訪れるため、ひとつの広告で数多くの人々に広告をリーチさせることができます。また、施設内広告は消費者が買い物や待ち時間を過ごす場所に配置されるため、購買意欲の高い状況で広告に接触させることが可能です。
各施設ごとに集まる人々の属性や趣味が異なるため、その特性を活かして特定のターゲット層に絞った広告展開ができます。例えば、ファミリー層が多く訪れるショッピングモールであれば、家族向けの製品やサービスの展開が考えられます。
特に近年はデジタルサイネージが注目されており、デジタルディスプレイに動画やインタラクティブなコンテンツを展示することでより訴求力を高められ、情報の更新も容易に行うことができます。
(4)ラッピングカー(アドトラック・宣伝カー)
ラッピングカー(アドトラック・宣伝カー)は、自動車に広告をラッピングした移動式の広告媒体です。
ビルボードやサイネージなどの固定式の広告とは異なり、広告を宣伝したい地域やイベントなどに合わせて移動させられる機動性が特徴です。また「動く広告」として視聴者に与える視覚的インパクトが大きく、特に大都市や交通量の多い地域では、多くの人々の目に触れ、強い印象を与えることができます。
アドトラックを活用するメリットやデメリット、具体的な活用事例やコストについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
(5)交通広告
交通広告とは、電車・地下鉄・バス・空港などの公共交通機関や交通施設に設置される広告のことです。
交通広告は、大量の通行者や乗客に対して広告メッセージを効果的に伝えることができ、一定時間広告をリーチさせられるため、広く深い訴求が可能です。
また、配置地点を工夫することにより、特定の地域や層への訴求も可能です。例えば、ビジネスエリアの駅や電車内であればビジネスパーソンに、学校周辺のバス停であれば学生をターゲットに訴求できます。
交通広告の典型例として、駅のプラットフォーム上に設置された看板などが挙げられますが、電車やバスの車両全体をラッピングした広告や、駅構内のデジタルサイネージなど、新しい交通広告も登場しています。
(6)タクシー広告
タクシー広告とは、タクシーの車内に設置された広告のことで、タクシーアドとも呼ばれます。
以前はリーフレットの設置やステッカーの貼付などが一般的でしたが、近年は助手席後方に設置されたデジタルディスプレイを用いた方法が急速に普及しています。また、車体の外側にラッピングを施し、乗客ではなく車外の通行人等に訴求する方法もあります。
一般的な傾向として、会社経営者や役員などのタクシー乗車率が高いことから、主にBtoB向け商材や富裕層向け商材の訴求に適しています。現在は主にビジネスエリアで上記のような商材の広告展開がなされていますが、例えば観光地で飲食店やお土産品のアピールをするなど、今後さらなる展開が期待できるでしょう。
その他の屋外広告
ここまで紹介したもののほか、コンテナ壁面の看板や街中のフラッグ広告など、屋外広告には様々な種類があります。どの方法が最適か迷ったら、まずは広告のプロに相談してみましょう。
その他の屋外広告1. 電柱広告
電柱広告は、電柱に設置される公共性の高い屋外広告であり、365日掲示されるため、集客や知名度向上に繋がりやすい広告枠です。
電柱は毎日の生活の中で無意識に接する存在であり、地域に密着しているからこそ、掲出場所を絞り込んだ効果的なターゲティングが可能です。
その他の屋外広告2. 消火栓広告
消火栓広告は、行動上の消火栓標識の下に設置される屋外広告です。
こちらも電柱広告と同様に、公共性が高く365日掲出されるため、反復訴求効果やターゲット効果を期待できます。また、消火栓広告に支出した費用は消火栓標識の維持管理にも利用されるため、地域の防災活動への貢献にもつながり、企業のCSR活動としても最適です。
その他の屋外広告3. 野立広告
野立広告とは、街路や路地、鉄道沿線などに設置された屋外広告のことです。
設置する場所により、通行中の歩行者やドライバー、乗客など特定のターゲットに訴求することが可能で、主に誘導や中長期目線でのブランド認知の目的で利用されています。
3. OOHを活用するメリット5つ
ここからは、OOHを活用する主なメリットを5つ紹介します。
- リーチ層が大きく広い
- 与える印象が強い
- 特定のエリア・対象にターゲティングできる
- ブランド認知度を向上できる
- 他の広告手法とのシナジー効果がある
ただし上述したように、各OOHがもつ強み・弱みはそれぞれ異なり、活用メリットも異なるため、より高い宣伝効果を発揮するためにはさらに詳しい分析が必要となります。
メリット1. リーチ層が大きく広い
OOHがもつ一番大きなメリットは、そのリーチ層の大きさと広さです。例えば渋谷のスクランブル交差点の大型ビジョン5基をジャックするプランの場合、1週間で12万3千人以上にリーチできる一方、コストは約237万円に抑えられます。
マス広告の代表例としてはテレビ広告が挙げられますが、視聴者数の低下や録画時の広告スキップ機能の登場により、従来ほどの効果は期待できない一方、製作も含めると費用が数千万円にのぼることも珍しくありません。OOHを活用すれば、コストパフォーマンスの高いマス広告を実現できます。
メリット2. 与える印象が強い
OOHがもつ特徴的なメリットとして、与えるインパクトの強さが挙げられます。
特に大型のビルボードやデジタルサイネージ、交通広告などは、その規模と場所の特性により強い視覚的インパクトをもたらします。そして、日常の生活空間や移動経路に自然と存在し、視覚的に目を惹くデザインやメッセージで消費者の注意を惹くことが可能です。
また、OOHは予期せぬ場所やタイミングで消費者に出会うため、新しい発見や意識の変化(購買行動など)を促す可能性があります。
メリット3. 特定のエリア・対象にターゲティングできる
OOHはターゲティングが難しいとの印象をもたれがちですが、特定のエリアや対象に対してターゲティングすることも可能です。例えばタクシー広告では経営者に向けた製品を、授乳室では子育て世代に向けた製品など、具体的なターゲティングをすることができます。
さらに地域性を活かした広告展開も可能で、地域の特色やイベント、風土に合わせたメッセージを作り上げることで、その地域の人々との強い結びつきや共感を生み出すこともできます。
ため、効果的なターゲティングを直感的に行うことが可能です。メリット4. ブランド認知度を向上できる
OOHは、他の広告手法と比較しても、ブランド認知度を向上させるのに特に有効です。
OOHはTV広告やYouTube広告とは異なり、ユーザーの行動を阻害することなく訴求できるため、ブランドイメージを押し付けることなく自然な形でユーザーの意識に残すことができます。
また、公共の場に展開されるOOHは、単に多くの人々の目に触れるだけではなく、ブランドイメージに対する信頼感と安心感をもたせることにもつながります。
さらに、同じ広告に何度も接することで印象や高感度が高まる効果(ザイオンス効果・単純接触効果)により、心理学的にみても自然で効果的なブランドイメージ向上が期待できます。
メリット5. 他の広告手法とのシナジー効果がある
デジタル時代の広告戦略は、多様なメディアや手法を適切に組み合わせることで、効果的な成果を上げることが求められています。この点、OOHはWeb広告など他の広告手法との相性がよく、効果的に組み合わせることで高いシナジー効果を期待できます。
例えば、OOHは特に認知形成に強い効果を発揮し、Web広告は興味・検討フェーズでの情報収集、購買フェーズでの購入促進に強みをもっています。そこでこの二つをうまく組み合わせることで、顧客の購買フェーズ全体をカバーすることが可能です。
近年はWeb広告の競争が激しく、CPA(顧客獲得単価)が高騰しているため、OOHはひとつの代替手段にもなりえます。OOHとWeb広告を戦略的に組み合わせることで、広告のリーチや効果を最大化することができます。両方のメディアの特性を理解し、適切に使い分けることで、高いROI(投資収益率)を実現することが期待できるでしょう。
4. OOHのもつデメリット3つ
ここまではOOHのメリットを紹介しましたが、一方でOOHにはデメリットも存在します。メリットとデメリットをしっかりと把握し、OOHによって効果的な訴求ができるのか検討するようにしましょう。
- リードタイムが長い
- 柔軟性に欠ける
- 効果測定が難しい
デメリット1. リードタイムが長い
OOHは、制作から実際の掲載・展開までに時間がかかるため、キャンペーンの開始時期を前もって計画しなければなりません。リードタイムを短縮するためには、十分な前準備と計画が不可欠です。
キャンペーンの目的やターゲットを明確にし、適切な期間を設定することで、効果的な広告展開を実現することができます。また、OOHの専門業者に委託することで適切なアドバイスを得ることができ、リードタイムを短縮できます。戦略をじっくりと練るためにも、掲出の2か月前には相談に行くようにしましょう。
デメリット2. 柔軟性に欠ける
OOHは出稿後に設置場所や内容を変更することが難しく、柔軟性に欠けるというデメリットがあります。
そのためOOHは、柔軟な変更や即座の対応が求められるような内容ではなく、ブランドイメージの周知・定着など、中長期的な視点での活用がおすすめです。
広告のクリエイティブについては、事前にWeb広告として出稿し、ABテストをしておくことで、より効果的なデザインやメッセージを特定することが重要です。
デジタルOOHを活用する場合にはリアルタイムで広告の内容を変更できるため、キャンペーン中の反応に応じてクリエイティブの調整を行うことが可能です。
デメリット3. 効果測定が難しい
OOHがもつデメリットとして、効果測定が難しい点も挙げられます。これはオフライン広告全般にいえることではありますが、Web広告と比較して、具体的な指標が限られているため、広告への反応やコンバージョン率を測定することが困難です。
そのため、QRコードなどの活用によってWebサイトへ誘導したり、特定のキャンペーンコードを提供するなどして、具体的なコンバージョンを追跡できるようにしましょう。また、来店者アンケートや指名検索数の前後比較など、間接的な効果測定の方法を確立しておくこともおすすめです。
5. OOHを出稿する具体的なステップ
ここからは、OOHを出稿するための具体的なステップを紹介します。
ステップ0. OOHの提案と稟議
まずOOHを出稿する際の最初のステップは、広告の提案と稟議です。広告出稿者が自社内の稟議を通す際には、次のポイントに注意するといいでしょう。
- ROIの明確化:予算に対しどの程度のリターンが期待できるのかを具体的に示します。これには、広告の目標、予測される効果、それがビジネスにどのように貢献するかが含まれます。
- リスク管理:予想外の事態に備えてリスク管理策を明示し、安心して賛同を得られるようにします。
また、広告プランナーに提案する際には、次のポイントを念頭に置くといいでしょう。
- 明確な目標設定:広告により何を達成したいのか明確な目標を設定し、その目標がどのようにビジネスの成果に繋がるのかを説明します。
- ターゲティング:広告を通じて誰にリーチしたいのかを具体的に示し、そのターゲットオーディエンスがどのように広告に反応すると考えるのかを説明します。
- 戦略と計画:どのような広告形式を使用し、どこで広告を展開するのか、どのようなメッセージを伝えるのかなど、具体的な戦略と計画を提案します。
ステップ1. 目標と予算の設定
次に、広告により達成したい目標と予算を設定します。
目標と予算は広告キャンペーンの方向性や範囲を決定するための非常に重要な要素となります。目標は具体的で達成可能なものにし、それに基づいて予算を設定することが大切です。ステップ2. 広告の形式と設置場所の選定
次に、出稿する広告の形式と設置場所を選定します。
OOHの形式は、今回紹介したものの他にも様々ありますが、どのように選択するかは、ここまでのステップで決定したターゲット、広告の目的、予算などにより変わります。設置場所の選択を間違えると、これまでの労力と広告費が大きく無駄になってしまいます。
そのため、具体的な形式や設置場所の選定にあたっては、専門的な知識をもった広告プランナーの力を借りるのがおすすめです。
上述の通り、OOHはリードタイムが長いため、掲出開始2か月前にはこの段階にきていることが望ましいといえます。
ステップ3. デザイン作成
広告の形式と設置場所が決まったら、次は広告のデザイン作成です。
OOHの場合は特に、鮮明で視覚的にインパクトのあるデザインを考えることが重要であり、広告のメッセージやブランドイメージを適切に伝えることを念頭においてデザインを行います。
ステップ4. 広告の製作と掲出
デザインが完成したら、広告の製作と掲出作業を行います。
デジタルサイネージや大型ビジョンなどのデジタル広告の場合、製作した映像を指定の形式で納品することで、媒体運営社側で編成作業を実施し、放映となります。形式は、ファイル形式、動画サイズ、エンコード方式、フレームレートなどが細かく指定されている場合もあり、誤った形式で納品すると、差し戻しや有料での変換作業が発生する可能性もあるため注意が必要です。
ポスターやステッカーは現物納品となる場合が多く、指定の日付までに営業所等に現物を送付する必要があります。別途代金を払うことで印刷を請け負ってもらえることも多いですが、その際はデザイン入稿の期日が現物納品の期日よりも早まることに注意が必要です。掲出作業は媒体運営側で手配となります。
看板やシートなどの広告枠では、通常は製作費や掲出作業費を含めてお見積りおよび発注を行います。製作には時間を要するものもあり、色校正をする場合は掲出まで1ヶ月以上が必要な場合もあるため、適切なタイミングで広告を掲出できるように、スケジュールを管理する必要があります。
ステップ5. 効果測定と調整
最後に、広告出稿後、設定した目的に対してどの程度の成果を挙げられたかを測定・評価します。
データをもとに、必要に応じて戦略や広告の内容を調整しましょう。これにより、次回以降の広告出稿の際に活用することで、広告効果を最大化することが可能となります。場合によっては、OOHからの撤退・web広告への転換など、大幅な変更が求められる可能性もあります。
6. OOHに関係する法規制
OOHは、屋外など不特定多数の人の目に触れるため、法令により表現方法等に一定の規制が課されています。
ただし、広告プランナーを通じてOOHを出稿する場合、通常は法令違反の可能性について広告プランナーでチェックが行われるため、それほど気にする必要はありません。とはいえ、OOHに関する法規制をあらかじめ知っておき、広告プランナーとの打ち合わせをスムーズに行えるようにしましょう。
法規制1. 屋外広告物法
屋外広告物法(参照:e-gov法令検索)は、屋外に掲示される広告に対する規制で、屋外広告の設置禁止区域や形状・面積などを定める法律です。
同法では、屋外広告の表示を禁止または制限できる区域・物件、面積・形状・色彩などについて、各都道府県が条例で定めることができるとしています。また、法令に違反する広告を表示した管理者に対しては、広告の除去等を命じることができ、都道府県が自ら除去することもできます。
なお屋外広告に対しては、他に建築基準法や道路法などでも規制が加えられていますが、これらの法律は主に広告設置者や管理者に対する規制であるため、基本的に広告主が気にする必要はありません。
法規制2. 各都道府県の屋外広告物条例や景観条例
屋外広告物法などの法律は、具体的な規制内容を各都道府県の条例に委任しているため、広告の出稿を検討している各地域の条例にも気をつけなければなりません。例えば東京都の場合、一部の住宅地や官公署等に公告を設置することはできないと定められています(参照:東京都都市整備局)。
屋外広告物法およびその関係条例は、どちらかといえば屋外広告の設置や管理に関する定めを置くものではありますが、蛍光色や点滅する光源の使用禁止など内容面に規制が及ぶこともあります。
また、歴史的地域や田園地域などでは別に景観条例が定められていることもあり、より厳しい規制が加えられているため注意が必要です。
さらに、各自治体や商店街などがブランド維持のために独自のルールを設けている場合もあるため、そのあたりも確認しておきましょう。
法規制3. 広告に関するその他の法令
広告に関しては、消費者の保護の観点から、内容に対してもさまざまな規制が課せられています。また、イラストや写真、音楽などの創作物を用いる場合の著作権法、写真等に人物が写っている場合には民法(肖像権)、医薬品等を扱う場合の薬機法(旧薬事法)なども問題となりえます。
これらの規制はOOHだけではなくすべての広告に当てはまるため、事業者としてしっかり把握しておきましょう。
#1:景品表示法
景品表示法(参照:e-gov法令検索)は、広告の表現等に対する規制であり、特に①優良誤認表示と②有利誤認表示に注意が必要です。
①優良誤認表示とは、広告において商品やサービスが、実際のものや他社のものと比較して著しくいいものと消費者に誤認させる表示をいいます。例えば受験予備校が広告を出す際、実際には他校と異なる方法で数値化し適正な比較をしていないにもかかわらず「大学合格実績ナンバーワン」と表示させるような場合がこれにあたります。
②有利誤認表示は、価格を著しく安く見せかけるなど、取引条件を著しく有利に見せかける表示です。例えば、自社に不利となる他社の割引サービスを除外した料金比較であるのに「業界最安値」と表示するような場合です。
景品表示法に違反するかどうかの判断は難しく、ケースバイケースの判断が求められるため、広告を出稿する際には広告プランナーや弁護士などプロに相談しましょう。
【参照:事例で分かる景品表示法 – 消費者庁】
#2:不正競争防止法
不正競争防止法(参照:e-gov法令検索)は、事業者間での不正な競争を防止する目的で定められた法律であり、他社の商品やサービスを利用するなどの不健全な競争を禁止しています。具体的には、広く知られた商品やサービスと同一または類似した表示を行う行為や、品質・産地を誤認させるような行為が禁止されています。
特に比較広告の適法性判断は難しいため、消費者庁のガイドライン等を参考にしながら、慎重に広告を作成するようにしましょう。
【参照:比較広告ガイドライン – 消費者庁】
OOHや屋外広告の出稿は専門のパートナーと進めよう
ここまで紹介したように、OOHは大規模なプロモーションやブランド認知度の向上のために大きなメリットをもたらす広告形態といえます。
一方で、比較的費用が高く、一度出稿すると柔軟な運用変更が難しいなどのデメリットもあります。また近年では、OOHの形態も多様化しており、DOOHの登場によってさらに専門的な広告戦略が求められるようになりました。
そのため、広告効果を最大限に高め、コストパフォーマンスよく目的の達成を望む場合には、広告のプロフェッショナルに依頼することをおすすめします。国内最大級の屋外広告プラットフォームである『オーマッチ』では、OOHに関する案件を多数取り扱っております。お問い合わせは無料で承っておりますので、この機会にぜひお気軽にご相談ください。
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