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トレインチャンネルのCM種類とは?費用や審査基準を徹底解説

「トレインチャンネルの費用はどれくらい?どんな広告効果や番組の種類があるの?」
「車内サイネージの種類は?活用メリット・デメリットを知りたい」

トレインチャンネルとは、JR東日本の車内に設置されたデジタルサイネージのことで、ニュース番組などの合間に広告を掲出できます。

この記事では、トレインチャンネルの概要や番組の種類、広告費用を詳しく解説します。また、トレインチャンネルのメリット・デメリット、審査基準なども分かりやすく紹介します。

現代的な車内広告として注目度の高いトレインチャンネルを活用し、効果的な広告戦略を実現しましょう。

1. トレインチャンネルとは?

ここでは、トレインチャンネルの概要や特徴、JR東日本に関する基本的なデータを紹介します。広告効果を高めるために、まずはしっかりと基本的な知識を押さえていきましょう。

(1)JR東日本の車内デジタルサイネージのこと

トレインチャンネルとは、JR東日本が管轄する電車内の、ドア上部に設置されたデジタルサイネージです。一部の路線では、窓の上に『まど上チャンネル』、連結ドア上に『サイドチャンネル』も設置されています。

同種の車内デジタルサイネージは他の鉄道会社でも導入されていますが、この記事で解説する『トレインチャンネル』はあくまでJR東日本が利用している名称であり、他の鉄道会社では名称が異なります。

運営元名称
東京メトロTMV(Tokyo Metro Vision)
都営地下鉄線チカッ都ビジョン
京王線K-DGチャンネル
東急線TOQビジョン
小田急線小田急TV
西武線Smileビジョン
東武線東武トレインビジョン
相鉄線トレインビジョン
京成線スカイライナービジョン
横浜市営地下鉄グリーンビジョン

(2)トレインチャンネルの特徴

トレインチャンネルでは主に動画でのコンテンツが配信されており、ニュースや天気予報、クイズなどの情報番組の合間にCMを配信することが可能です。また、後述するように、オリジナルの番組を放映するなどのオプションもあります。

すぐ横に停車駅などの情報が掲示されているため、トレインチャンネルの注目度は非常に高く、特に混雑する路線では自然と目線が上に行きやすいため、多くの乗客の視線を集めることができます。

また、トレインチャンネルで配信されるCMは15秒・30秒単位であり、TVCMや屋外ビジョンと同じロール長となっているため、他のメディアと同じ素材を使うことで製作コストを抑えることが可能です。

(3)JR東日本の基本データ

トレインチャンネルが設置されているJR東日本は国内でも屈指の利用者数を誇り、首都圏全線の1週間当たりの利用者数は実に1億1195万人に及びます。特に首都圏路線では毎日多くの人が通勤・通学、旅行等に利用しているため、マス広告にうってつけの広告媒体です。

また、首都圏路線の1日の平均利用時間は15.8分となっており、その間乗客は電車内という空間に密閉されるため、広告を視認する可能性もかなり高いといえます。各路線ごとの利用者数、平均利用時間は以下の通りです。

路線名1週間の延べ利用者数1日の平均利用時間
首都圏全線11,195万人15.8分
京浜東北線・根岸線3,149万人14.9分
山手線1,581万人11.8分
中央線快速933万人16.6分
中央線・総武線各駅停車1,027万人13.5分
埼京線・川越線(大宮・川越)577万人14.5分
東海道線/宇都宮線・高崎線/
湘南新宿ライン/上野東京ライン
1,801万人21.2分
横須賀線・総武線快速665万人19.0分
横浜線423万人15.1分
南武線431万人14.7分
常磐線各駅停車297万人11.7分
1週間あたりの平均利用時間は約40分~50分程度となっているため、広告に接する可能性、および広告を最初から最後まで視認する可能性も高いといえます。

平均利用時間(個人ベース)の性別・年代別のデータは次の通りです。

性別・年齢1週間の平均平日平均土日平均
男性20~34歳45.0分45.5分43.3分
男性35~49歳49.2分50.6分41.1分
女性20~34歳41.1分41.7分39.4分
女性35~49歳39.4分40.2分36.5分

(出典:【株式会社ジェイアール東日本企画】 首都圏路線群と延べ利用者数/平均乗車時間

2. トレインチャンネルの種類・費用相場

ここでは、トレインチャンネルに掲出できる広告の種類や、費用相場について解説します。

トレインチャンネルの種類

  • スポットCM
  • ミニ番組
  • コンテンツ連動商品
  • 天気予報ジャック

(1)スポットCM

スポットCMは、トレインチャンネルの最も基本的な広告形態で、ニュース番組や天気予報番組などの間に掲出されるCMです。

1ロール15秒単位のCMで、1週間に2~3素材までが基本となっています。オプションとして、1週間に最大7素材入れ込み、①順番繰り返し②曜日指定③時間帯指定ができる『ハイパー枠』のオプションメニューもあります。

山手線のみ単線のトレインチャンネル単体の枠がなく、トレインチャンネル+まど上チャンネルでの販売となっています。なお、まど上チャンネルは窓上(座席上)のサイネージのことで、山手線(全車両)、横須賀線-総武線快速(一部車両)のみに搭載されています。

基本的にトレインチャンネルは沿線ごとの掲出となりますが、首都圏の全線に一挙配信する全線セットもあります。

スポットCMの費用相場

スポットCMの費用は、1週間あたり、山手線(まど上チャンネルとセット)で350万円、JR中央線・総武線で80万円、首都圏全線セットで480万円、京浜東北線で99万円、横浜線で30万円などです。

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(2)ミニ番組

ミニ番組は、広告主が自ら番組を企画・提供するもので、ミニ番組とCMを続けて提供できます。こちらは沿線ごとに展開できず、首都圏全線一括での配信となります。

1ロールあたり番組が60秒、広告が30秒と長いため、詳しく商品説明をできる点が魅力です。例えば、60秒の番組でレシピを紹介して30秒の広告で調理器具を訴求する、美容のヒントを紹介し美容製品やスキンケア商品を訴求する、などの活用方法が考えられます。

車内広告は他のOOH広告と比べて視認時間が長い傾向にあるため、視聴者にしっかり説明したい商品・サービスの場合に最も適した広告媒体といえるでしょう。

オリジナル番組提供の費用相場

オリジナル番組提供の掲出費用は、全線セット(13週間放映)で8,100万円です。

(3)コンテンツ連動商品

コンテンツ連動商品は、気象情報(花粉指数、不快指数、傘指数、素肌乾燥指数)など、リアルタイムの情報コンテンツと広告を組み合わせた形態です。こちらも首都圏全線一括での配信となります。

リアルタイム情報を15秒間放映したあと、その内容に沿った15秒の広告を放映することで、視聴者のニーズを掘り起こし、より注目度の高い訴求が可能です。

例えば、花粉指数を紹介したあとで室内干し用の洗濯洗剤を訴求したり、素肌乾燥指数を紹介したあとで保湿製品を訴求する、などの展開が考えられます。

コンテンツ連動商品の費用相場

コンテンツ連動商品の掲出費用は、全線セット(1週間放映)でおよそ1,040万円、山手線を除く全線セット(1週間放映)でおよそ640万円です。

(4)天気予報ジャック

天気予報ジャックとは、トレインチャンネルで配信されている天気予報コンテンツに、広告主の企業名・商品名を冠したり、オリジナルキャラクターを登場させたりできる形態で、こちらも首都圏全線一括での配信です。

乗客にとって天気予報は特に関心度の高いコンテンツであり、注目度が高いため、そこに広告を挿入することで自然な訴求が可能となります。

天気予報ジャックの費用相場

天気予報ジャックの掲出費用は、全線セットでの販売で、1週間契約で918万円(コンテンツ60秒+CM15秒)または828万円(コンテンツ30秒+CM15秒)です。

CMなしのコンテンツのみのプランの場合は、4週間契約で1,620万円(コンテンツ60秒放映)または1,020万円(コンテンツ30秒)となっています。

3. トレインチャンネルのメリット3つ

以下からは、トレインチャンネルの主なメリットを3つ紹介します。電車内広告にはさまざまな種類があるため、トレインチャンネル独自の魅力を押さえ、効果的な広告効果を実現しましょう。

トレインチャンネルのメリット3つ

  1. 多くの人にリーチできる
  2. 動画コンテンツで視認性が高い
  3. 乗車時間が確保されるため動画を全編観てもらえる可能性が高い

メリット1. 多くの人にリーチできる

トレインチャンネルの魅力は、なによりリーチ数の多さと範囲の広さです。トレインチャンネルの視聴者層、すなわちJR東日本の利用者数は日本最大級であり、首都圏全線の1週間あたり利用者数は1億1195万人に及びます。

トレインチャンネルは、基本的に1車両あたり8面ずつ設置されているため、単純計算では、山手線だけで約4600面(1両あたり8面・1編成あたり11車両・全52編成)も掲出され、乗客が視認する可能性も高いです。

メリット2. 動画コンテンツで視認性が高い

トレインチャンネルは動画コンテンツであり、運行状況の隣に掲出されるため、他の車内広告にはない吸引力があり、視認強制度の高い媒体です。

そのためインパクト重視よりも説明型のクリエイティブに向いており、視覚的インパクトに欠ける商品・サービスであっても、じっくりと訴求できます。

メリット3. 乗車時間が確保されるため動画を全編観てもらえる可能性が高い

電車の乗客は、目的に到着するまでの間は電車内に密閉されるため、トレインチャンネルで放映する動画を最初から最後まで視聴する可能性が高いです。

また、トレインチャンネルは20分で1ロールとなっているため、単純に計算すれば広告が20分に1回流れることになりますが、JR東日本の各路線では1日あたり平均利用時間が15.8分、1日平均乗車回数が1.7回であるため、乗客が広告を目にする可能性はかなり高いといえます、

4. トレインチャンネルのデメリット3つ

トレインチャンネルは魅力的な広告媒体である一方、無視できないデメリットも存在します。以下からは、トレインチャンネルの主なデメリット3つと、その対処法について解説します。

トレインチャンネルのデメリット3つ

  1. 車内のどこからでも観えるわけではない
  2. 音声は利用できない
  3. 山手線ではまど上チャンネルとのセットになる

デメリット1. 車内のどこからでも観えるわけではない

トレインチャンネルは、電車内の出入口ドア上に設置されているため、例えば車内中央付近などからは視認しづらいというデメリットがあります。

そのため、明るく目を惹くコンテンツの配信や、放映時間帯・曜日の選定、沿線によるエリアターゲティング、スポットCM以外のオプション商品を利用するなどし、広告効果を高める施策が必要です。

また、中吊り広告など他の車内広告も同時に出稿することで、車内における広告の存在感を高めたり、トレインチャンネルへ視線を誘導することも可能です。

デメリット2. 音声は利用できない

トレインチャンネルでは音声を利用できないため、視覚情報だけで情報を伝えなければなりません。

そのため、キャッチーで魅力的な画像や動画シーン、強力なキャッチコピーを活用して、視聴者の目を惹きつけるようにしましょう。

また、他の動画広告媒体(テレビCMやYouTube広告など)と同じ素材を使う場合には、キャプションや字幕を追加してトレインチャンネル用に改変する必要があります。

デメリット3. 山手線ではまど上チャンネルとのセットになる

JR東日本の沿線のなかでも特に利用者が多い山手線では、トレインチャンネルだけを単体で利用できず、まど上チャンネル(車両の窓の上・網棚の奥に設置されたサイネージ)とのセットでの運用となります。

そのため、山手線への出稿は掲出料金が高くなるというデメリットがあるものの、視認者範囲が広がり、インパクトも強くなるため、むしろ人気が高まっています。

5. トレインチャンネルのリードタイム

トレインチャンネルへの出稿を検討している場合、掲出開始日の4週間前までを目安に広告プランナーへ問い合せましょう。

(1)問い合わせ:4週間前

最新の空き状況がわかります。希望の日程で広告掲出が可能かを確認しましょう。

(2)デザインの提出・審査:3週間前

媒体社による広告内容の審査があります。広告内容がわかるデザインデータや資料を提出しましょう。

(3)申し込み:2週間前

正式に申し込みをして広告枠を確保しましょう。
広告枠は予約や仮押さえができず、先着の申し込みがあれば埋まってしまうので注意が必要です。また、申し込み後はキャンセルができないことにも留意しましょう。

(4)最終版デザインの提出:2週間前

実際に掲出する広告デザインのデータを提出します。

(5)お支払い:1週間前

広告プランナーまたは媒体社から請求書が送付されます。
原則、前金のみとなります。

(6)掲出開始:当日

広告が掲出されます。

6. トレインチャンネルの審査基準

トレインチャンネルには審査規定が定められており、以下の項目に該当する広告は掲出できません。あらかじめチェックしておきましょう。

トレインチャンネルで掲出できない広告

公序良俗に反するもの、通行者や公衆に不快の念を与えるもの、社会通念上掲出できないと認められているもの。
その他、媒体社が不適当と認めるもの。

多くの人の目に留まる広告は消費者(購入者、利用者等)に対する情報の提供であるため、適切かつ節度を持ったものでならなければならないとの前提のもとでクリエイティブの審査が行われます。トレインチャンネルを出稿する際は、審査時にクリエイティブの承認をスムーズに受けられるように上記の点に気を付けましょう

トレインチャンネルの出稿はプロに相談しよう

今回は、トレインチャンネルの概要や番組の種類、具体的な費用等について解説しました。

JR東日本管轄の沿線で利用できるトレインチャンネルでは、スポットCMのほかにもオリジナル番組提供や天気予報ジャックなど複数のオプションがあり、予算や自社の商品・サービスに合わせた広告出稿が可能です。

動画コンテンツとしての強みを活かし、他の車内広告にはないインパクトのある訴求ができ、視認時間が長いためストーリーテリングな訴求も可能です。トレインチャンネルは電車広告のなかでも特に人気が高まっている広告媒体であるため、出稿を検討している方は早めに広告プランナーに相談することをおすすめします。

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