「インバウンド観光客向けの広告はどこに出すべき?」
「インバウンド向けの広告媒体や成功のコツを知りたい」
インバウンド観光客(訪日外国人)向けの集客を検討中の方で、このようにお悩みの方はいませんか?コロナ禍の収拾と円安の影響でインバウンドが増加している昨今、インバウンドの集客にお困りの方も多いと思います。
この記事では、インバウンドに関する基本的な情報や、インバウンド観光客向け広告の出稿に向いている場所について紹介します。また、おすすめの広告媒体や広告制作のポイントについても解説します。
この記事を読めば、インバウンドの現状や具体的な広告戦略を理解できますよ。
1. インバウンド観光客の現状
ここでは、インバウンド観光客の現状について紹介します。具体的な広告戦略を検討する前に、まずはインバウンド観光客の主な国籍構成や訪問先など、基本的な知識を押さえておきましょう。
(1)1ヶ月あたり約250万人が訪日
最新の統計によると、2023年10月のインバウンド観光客は約251万6500人で、単月としては初めて、新型コロナウイルス感染症が流行する前の2019年10月(約249万7000人)を上回りました。(参照:訪日外客数 – 日本政府観光局)
インバウンド観光客増加の背景としては、新型コロナウイルス感染症の収拾や、円安の進行、東アジア・東南アジア諸国の経済成長などが考えられます。
国際線定期便の数も運行便数が増えてきており、今後ますますインバウンド観光客は増加していくでしょう。
(2)訪日外国人の約8割がアジア国籍
2023年9月のインバウンド観光客数を国・地域別にみると、韓国が最多で約57万人、台湾が約38万5千人、中国が約32万5千人と続きます。
例年、この3つの国・地域からの訪問客が全体の約4割を占めており、ここに香港・タイ・マレーシアなどのアジア諸国の観光客数を加えると、実に約8割がアジアの国・地域からの観光客であることになります。(参照:インバウンド 訪日外国人動向 – JTB総合研究所)
そのため、インバウンド観光客向けの広告を製作するうえでは、やはり上位3つの国・地域からの観光客を中心に、主にアジア向けの施策を検討する必要があるでしょう。
(3)主に成田空港・関西国際空港・羽田空港から入出国
インバウンド観光客が主に出入国の玄関口として用いるのは、成田空港・関西国際空港・羽田空港です。以下からは、具体的な出入国者数などのデータをみていきましょう。(参照:インバウンド出入国データ – 訪日ラボ)
#1:成田空港の利用状況
成田空港は、長らく日本の玄関口として不動の地位を保っており、2019年の訪日外国人入国者数は年間約898万人、2023年10月は1ヶ月間で156万人でした。(参照:2023年10月空港運用状況 – 成田空港)
成田空港から東京都心部へのアクセスは、主に京成スカイライナー、JR成田エクスプレス、高速バスが担っており、東京駅までいずれも50分以上かかります。
#2:関西国際空港の利用状況
関西国際空港は2012年ごろから訪日外国人入国者数が増加しており、2019年は約838万人、2022年は約88万5千人が入国に利用しました。まだ2023年のデータは出ていませんが、成田空港の状況を考えると、関西空港でもインバウンドの数は増加しているでしょう。
関西国際空港から大阪・京都方面へのアクセスは主にJR・南海電鉄、高速バスが用いられ、神戸方面へは高速船が運航しています。
#3:羽田空港の利用状況
羽田空港は、成田空港の開港以来しばらく国内線専用空港となりましたが、2010年以降は再国際化し、2019年には約428万人、2022年には約81万6千人の訪日外国人が入国時に利用しました。羽田空港も最新のデータを公開していませんが、同様にインバウンドの利用者数は増加傾向と想定されます。
羽田空港は比較的東京都心部へのアクセスに優れており、主に京急電鉄・東京モノレール、高速バスが利用されています。
(4)訪日外国人1人あたりの旅行支出は約21万円
インバウンド観光客1人あたりの旅行支出は約21万円であり、主に宿泊費(34.2%)、買物代 (26.1%)、飲食費(22.9%)に支出しています。(引用:訪日外国人消費動向調査 – 観光庁)
国籍・地域別にみると、フランス(35万8千円)、スペイン(35万円)、イタリア(34万2千円)からの観光客は特に支出額が多く、飲食費はイタリア、交通費はスペイン、娯楽サービス費はオーストラリア、買い物代は中国が多いなど、国籍・地域ごとに消費行動に違いがある点も特徴です。
(5)インバウンド観光客が増えるシーズン
インバウンド観光客が訪日するシーズンは、主に桜需要の4月、バカンス期間の7月・8月、紅葉需要の10月、雪需要の12月です。(参照:インバウンド・外国人観光客が多い時期がひと目でわかる「インバウンドカレンダー」 – 訪日ラボ)
国籍・地域別にみても大きな違いは見られないものの、例えば韓国からの訪日数は1,2月に多く訪問していたり、タイからは3~5月にピークを迎えるなど、一定の傾向は見受けられるため、特定の国・地域からの観光客に向けた広告を出稿する場合には注意が必要です。
2. インバウンド観光客向けの広告はどこに出す?
以下からは、インバウンド観光客向けの広告を出稿すべき場所について紹介します。
- 空港
- 空港周辺の公共交通機関
- 観光地
(1)空港
空港は、インバウンド観光客が最初に日本で訪れる場所であり、第一印象を形成する大切な場所でもあります。空港に広告を掲出することで、旅行のプランニングにも影響を与えることができ、特に到着ロビーや荷物受け取りエリア周辺は視認率が高いため、広告の展開にも適しています。
また後述するように、インバウンド観光客にはリピーター訪日客も多いことから、「今回は行けなかったけど、次に来日した時は是非行きたい」と思わせるような広告を出稿することもおすすめです。
空港広告の種類や特徴については、こちらの記事でも解説しています。
(2)空港周辺の公共交通機関
空港から市街地・観光地への移動手段として利用される公共交通機関も、インバウンド観光客向けの広告を出稿するのに適しています。駅やバス停、電車やバスの車内、駅のプラットフォームなどに広告を配置することで、移動中のインバウンド観光客の目に留まりやすくなります。
空港から市街地・観光地への移動には時間がかかることが多いため、移動中の空き時間を利用して情報を得る観光客も多く、高い視認率を期待できます。(3)観光地:インバウンド観光客に人気な観光地ランキング
インバウンドに人気のある観光地に広告を掲出することで、広告の視認性が高まり、効率的なアプローチが可能です。
統計的な調査によると、インバウンド観光客に人気な訪問先は渋谷・新宿・銀座エリアとなっていますが、これらのエリアには日本人も多く訪れているため、インバウンド向けの広告戦略としては、よりインバウンドに人気のある観光地にフォーカスするほうが良いでしょう。(参照:渋谷、東京都のインバウンド訪問先トップに – 訪日ラボ)
アメリカに本拠地を置くオンライン旅行会社、トリップアドバイザーによると、人気のある日本の観光地ランキングは次の通りです。(引用:人気のある日本の観光スポット – Tripadvisor)
- 伏見稲荷神社
- 金閣寺
- 清水寺
- 広島平和記念資料館
- 道頓堀歓楽街
- 浅草寺
- 新宿御苑
- 明治神宮
- 原爆ドーム
- 東大寺
また、東京都に限定してみてみると、次のようになります。(引用:人気のある東京都心の観光スポット – Tripadvisor)
- 新宿御苑
- 浅草寺
- 明治神宮
- 浅草エリア
- 上野恩賜公園
- 東京タワー
- 東京スカイツリー
- 渋谷スクランブル交差点
- 銀座歓楽街
- 東京駅
東京都では、主に新宿・浅草・上野エリアに人気が集中しており、秋葉原などもインバウンド観光客に人気があるスポットとなっています。
3. インバウンド観光客向けのおすすめ広告媒体5選
以下からは、インバウンドの現状や観光スポットを踏まえ、インバウンド観光客向けのおすすめ広告媒体を5つ紹介します。
- リムジンバスシートバック広告
- 東京モノレール 羽田空港第3ターミナル駅 集中駅ばり
- 京急 羽田空港第3ターミナル駅 エレベーター広告
- ラジ館ビジョン
- クロス新宿ビジョン
(1)リムジンバスシートバック広告
リムジンバスシートバック広告は、成田空港・羽田空港と都市部間を運行するリムジンバスの座席背面に掲出される広告です。長時間の移動中に乗客が直接目にすることから、高い注目度を確保できます。
広告費用は、6ヶ月間、1枠(AC列またはBD列)での掲出で720万円です。
(2)東京モノレール 羽田空港第3ターミナル駅 集中駅ばり
こちらは、東京モノレール羽田空港第3ターミナル駅にて、階段壁面を中心に集中的に掲出できるプランです。第3ターミナルは国際線専用のターミナルであるため、インバウンド観光客に効果的に訴求できます。
広告掲出に必要な費用は、6ヶ月間で57万6,000円です。B0サイズが12枚掲出されます。
(3)京急 羽田空港第3ターミナル駅 エレベーター広告
こちらは、京急電鉄の羽田空港第3ターミナル駅にあるエレベーター内に掲出される広告です。荷物が多いインバウンド観光客は積極的にエレベーターを利用するため、効率的な訴求が可能です。
広告掲出費用は、1週間で15万円です。
(4)ラジ館ビジョン
ラジ館ビジョンは、東京・秋葉原の駅前にある『秋葉原ラジオ会館』外壁に設置されたデジタルサイネージです。電気街方面に向かう際に必ず目に留まるため、秋葉原を訪れたインバウンド観光客にも効果的に訴求できます。
広告掲出に必要な費用は、以下の通りです。
プラン/期間 | 1日間 | 1週間 | 2週間 | 1ヶ月間 |
---|---|---|---|---|
15秒間、2回/1時間 | 30,000円 | 105,000円 | 170,000円 | 360,000円 |
15秒間、4回/1時間 | 60,000円 | 210,000円 | 340,000円 | 720,000円 |
15秒間、8回/1時間 | 120,000円 | 420,000円 | 680,000円 | 1,440,000円 |
(5)クロス新宿ビジョン
クロス新宿ビジョンは、JR新宿駅東口改札を抜けた先の交差点に設置された大型デジタルサイネージ広告で、3D映像も放映できる媒体です。
新宿にはインバウンド観光客も多く訪れており、特に東口には空港と新宿をつなぐリムジンバスが発着するため、インバウンド観光客にも効果的に訴求できます。
こちらに掲出された広告はSNSを通じて拡散されることが多く、いわゆる『バズ』を期待できる媒体でもあります。
広告掲出に必要な費用は、次の通りです。
プラン/期間 | 1日間 | 1週間 | 2週間 | 1ヶ月間 |
---|---|---|---|---|
15秒間、2回/1時間(34回/1日) | 120,000円 | 480,000円 | 860,000円 | 1,260,000円 |
15秒間、4回/1時間(68回/1日) | 200,000円 | 800,000円 | 1,440,000円 | 2,080,000円 |
15秒間、8回/1時間(136回/1日) | 300,000円 | 1,200,000円 | 2,160,000円 | 3,120,000円 |
4. インバウンド観光客向け広告を成功させるコツ
以下からは、インバウンド観光客向けの広告を成功させるコツについて紹介します。
- ターゲットを明確にする
- ターゲットに合わせたクリエイティブにする
- リピーター訪日客も視野に入れる
(1)ターゲットを明確にする
インバウンド観光客向けの広告においては、ターゲットとなる国籍・地域を絞り込むことが重要です。ターゲットに合わせて使用する言語を選び、掲出時期を考慮する必要があります。
例えば、中国人観光客向けであれば春節に、韓国人観光客向けであれば1,2月に掲出するなどの工夫をしましょう。
(2)ターゲットに合わせたクリエイティブにする
国や地域によって広告に対する文化や嗜好が異なるため、ターゲットに合わせたデザイン・クリエイティブを作成するようにしましょう。
例えば、日本ではタレントを起用したイメージ戦略が多い一方、欧米ではストーリー性を重視したデザインが、中国やインドではインパクトのある色彩を用いた広告が好まれる傾向にあります。
そのため、ターゲットとなる国・地域が定まったら、インターネットで現地の広告を検索するなどして、現地の文化・嗜好を把握しておきましょう。
(3)リピーター訪日客も視野に入れる
実は、インバウンド観光客の約6割がリピーター(2回目以降の訪日)であり、リピート率は上昇傾向にあります。(参照:訪日外国人旅行者の訪日回数と消費動向の関係について – 観光庁)
そのため、インバウンド観光客向けの広告では、本来は旅行前のフェーズで訴求したい広告(宿泊施設や別の地域の商品・サービス等)であっても、十分に効果的な訴求が可能です。
特にリピーターは新しい情報や体験を求めているため、リピーター向けに特化した広告を製作することもひとつの戦略といえるでしょう。
インバウンド向け広告の出稿はプロに相談しよう
今回は、インバウンド観光客の現状や、人気の観光地、おすすめの広告媒体などを解説しました。
インバウンド観光客の数はコロナ禍前の水準に戻っており、今後ますます増加していくことが想定されます。東京では、主に新宿・浅草・上野エリアに人気が集中していますが、こうしたエリアには日本人も多く訪れるため、広告媒体の選択が重要なファクターとなります。
そのため、インバウンド観光客向けの広告を出稿する際には、プロの広告プランナーに相談することをおすすめします。国内最大級の広告プラットフォーム『オーマッチ』では、18万件以上の屋外広告を、仲介手数料無料、プランニングサポート無料で承っております。
インバウンド観光客向けの広告の出稿を検討している方は、この機会にぜひ一度お問い合わせください。
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